インバウンド、VJC重点市場以外も増加中−海港から地方への誘客にも可能性
国際観光振興機構(JNTO)が取りまとめた2007年の訪日外客数の確定値は、前年比13.8%増の834万6969人であった。ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)重点市場12ヶ国(韓国、台湾、中国、香港、タイ、シンガポール、オーストラリア、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス)からの訪問者が約737万人と大幅に増加、全体の約88%を占め、VJCの効果が実感される結果となった。特に、韓国は22.8%増の260万694人、台湾は5.8%増の138万5255人で、中国も16.1%増の94万2439人とアメリカを抜いて3位になり、この3市場で計492万8388人と訪日客の過半数を占めた。
しかし、VJC重点市場以外の国々でも、訪日需要は順調に拡大している。例えば、2007年の訪日客数で最も高い伸びを示したのはメキシコで、38.4%増の2万8203人であった。しかも、このうち観光目的での訪問者は全体の80.6%を占める2万2726人だ。JNTOでは、アエロメヒコ航空(AM)が2006年11月に日本路線を就航して航空座席が増加したこと、それにあわせてAMが広告を展開したことが、この結果に繋がったと分析している。そのほか、昨年12月にビバマカオ航空(ZG)が成田/マカオ間の定期チャーター便をしたところ、マカオ発の需要が拡大したこともあり、7月からは週2便から週4便に増便する計画を立てている。香港の定期チャーターを開始した全日空も、現地発の需要が半分強であること明かしており、新規就航路線からの訪日客の拡大は今後も期待できそうだ。
また、VJCの重点市場以外で最も訪日客数が多いのはマレーシアで、17.8%増の10万890人と10万人の大台を突破した。近隣のVJC対象国であるタイとシンガポールを加えた3ヶ国の合計は42万231人で、ASEAN諸国の市場は、イギリス、フランス、ドイツ3ヶ国の48万4925人に近い規模まで成長している。JNTOによると、マレーシアが増加したのは、隣国のシンガポールでのプロモーションの波及効果と、好調な経済による所得の増加が後押ししたようだ。
これを受け、JNTOでは今後、ロシアやインドとともに準重点市場に位置づけてプロモーションを強化する方針。ASEANでは他に、フィリピンが6.3%減ながら8万9532人、インドネシアからは7.1%増の6万4178人が日本を訪問。観光目的だけに限ると、タイが49.0%増の11万9718人、シンガポールが40.9%増の11万9239人と数を増やした。さらに「VISTA」であるベトナムやインドネシアなど、ASEAN諸国の経済成長が見込まれるなか、各国で海外旅行の需要拡大も期待できる。
なお、観光目的での訪日客が20%以上増加している国は17ヶ国、10%以上の増加では25ヶ国あり、観光のデスティネーションとして日本が存在感を増しているまた、台湾や香港では全訪日客の90%以上が観光客で、韓国では約80%、シンガポール、タイでも80%に近づいてきている。
▽海港からの入国者も増加傾向−地方への誘客にも繋がる
2007年の入国港別の正規入国者数をみると、海港の利用が増加傾向にあることがわかる。成田空港が9.0%増の437万5849人、関空が11.9%増の164万7188人、中部が15.7%増の59万6392人、羽田が28.2%増の44万1477人、福岡が12.0%増の43万2750人などと、圧倒的に数が多いのは空港だが、伸び率では、訪日外客数全体の増加率の13.8%増を上回って伸びている海港が多く、JNTOでは今後の伸びに期待を示す。例えば、韓国人入国者が多い博多港は20%増の28万7220人、下関港は21.7%増の10万5859人だ。沖縄の石垣港は06年の139人から大きく増加して2万3850人、那覇港も121.3%増の2万2768人となったほか、大阪港は65.5%増の9万7659人、対馬(厳原)港が48.1%増の4万681人、対馬(比田勝)港が66.6%増の2万5397人など、大幅に拡大する港もある。
石垣と那覇の急増は、スタークルーズが以前設定していた台湾/那覇航路を2007年6月から復活し、台湾/石垣/那覇の航路を運航したことによるもの。また、海路での入国者数の増加を予感させる要因として、2月に那覇に寄港したロイヤル・カリビアン・インターナショナルの「ラプソディ・オブ・ザ・シーズ」をはじめ、クルーズ各社が日本に寄港するクルーズを投入している。海港からの入国促進は、地方への誘客を進める上でも有効であり、JNTO理事長の間宮忠敏氏も2008年度の方針として、空路だけではなく海路での訪日促進にも着手したい考えを表明した。
しかし、VJC重点市場以外の国々でも、訪日需要は順調に拡大している。例えば、2007年の訪日客数で最も高い伸びを示したのはメキシコで、38.4%増の2万8203人であった。しかも、このうち観光目的での訪問者は全体の80.6%を占める2万2726人だ。JNTOでは、アエロメヒコ航空(AM)が2006年11月に日本路線を就航して航空座席が増加したこと、それにあわせてAMが広告を展開したことが、この結果に繋がったと分析している。そのほか、昨年12月にビバマカオ航空(ZG)が成田/マカオ間の定期チャーター便をしたところ、マカオ発の需要が拡大したこともあり、7月からは週2便から週4便に増便する計画を立てている。香港の定期チャーターを開始した全日空も、現地発の需要が半分強であること明かしており、新規就航路線からの訪日客の拡大は今後も期待できそうだ。
また、VJCの重点市場以外で最も訪日客数が多いのはマレーシアで、17.8%増の10万890人と10万人の大台を突破した。近隣のVJC対象国であるタイとシンガポールを加えた3ヶ国の合計は42万231人で、ASEAN諸国の市場は、イギリス、フランス、ドイツ3ヶ国の48万4925人に近い規模まで成長している。JNTOによると、マレーシアが増加したのは、隣国のシンガポールでのプロモーションの波及効果と、好調な経済による所得の増加が後押ししたようだ。
これを受け、JNTOでは今後、ロシアやインドとともに準重点市場に位置づけてプロモーションを強化する方針。ASEANでは他に、フィリピンが6.3%減ながら8万9532人、インドネシアからは7.1%増の6万4178人が日本を訪問。観光目的だけに限ると、タイが49.0%増の11万9718人、シンガポールが40.9%増の11万9239人と数を増やした。さらに「VISTA」であるベトナムやインドネシアなど、ASEAN諸国の経済成長が見込まれるなか、各国で海外旅行の需要拡大も期待できる。
なお、観光目的での訪日客が20%以上増加している国は17ヶ国、10%以上の増加では25ヶ国あり、観光のデスティネーションとして日本が存在感を増しているまた、台湾や香港では全訪日客の90%以上が観光客で、韓国では約80%、シンガポール、タイでも80%に近づいてきている。
▽海港からの入国者も増加傾向−地方への誘客にも繋がる
2007年の入国港別の正規入国者数をみると、海港の利用が増加傾向にあることがわかる。成田空港が9.0%増の437万5849人、関空が11.9%増の164万7188人、中部が15.7%増の59万6392人、羽田が28.2%増の44万1477人、福岡が12.0%増の43万2750人などと、圧倒的に数が多いのは空港だが、伸び率では、訪日外客数全体の増加率の13.8%増を上回って伸びている海港が多く、JNTOでは今後の伸びに期待を示す。例えば、韓国人入国者が多い博多港は20%増の28万7220人、下関港は21.7%増の10万5859人だ。沖縄の石垣港は06年の139人から大きく増加して2万3850人、那覇港も121.3%増の2万2768人となったほか、大阪港は65.5%増の9万7659人、対馬(厳原)港が48.1%増の4万681人、対馬(比田勝)港が66.6%増の2万5397人など、大幅に拡大する港もある。
石垣と那覇の急増は、スタークルーズが以前設定していた台湾/那覇航路を2007年6月から復活し、台湾/石垣/那覇の航路を運航したことによるもの。また、海路での入国者数の増加を予感させる要因として、2月に那覇に寄港したロイヤル・カリビアン・インターナショナルの「ラプソディ・オブ・ザ・シーズ」をはじめ、クルーズ各社が日本に寄港するクルーズを投入している。海港からの入国促進は、地方への誘客を進める上でも有効であり、JNTO理事長の間宮忠敏氏も2008年度の方針として、空路だけではなく海路での訪日促進にも着手したい考えを表明した。