ハワイ体験レポート−その3 ダイヤモンドヘッドの早朝トレッキング
この達成感がたまらない!
ダイヤモンドヘッドの早朝トレッキング
オアフ島には上級者向けの本格的トレッキング・ルートから、ゆったり海辺を歩く朝の散策向けルートまで、たくさんのハイキング・コースがある。どれもハワイの自然に触れ、深い緑のトロピカルな森林浴やバードウォッチング、ダイナミックな海岸線や滝などに出会える変化に富んだものだ。中でも、「短時間で大きな達成感を感じることができると人気なのが、ダイヤモンドヘッドのトレッキング。オアフ島のシンボルとも言えるこの山は、ホテルの部屋やビーチから眺めるだけでも十分に感動的だが、自分の足で歩いて頂上に達したときの満足感は、なんともいえないもの。できれば早朝、朝日が昇るのを眺められる時間に行くのがおすすめだ。
(現地取材:宮田麻未 写真:神尾明朗)
◆あなどれない標高差170メートル
ダイヤモンドヘッドは、およそ30万年前に噴火した火山の火口が侵食され、現在のユニークな姿となったのだそうだ。ロコたちには「レアヒ」と呼ばれているが、伝説では火の女神ペレの妹、ヒイアカがこの山頂をマグロ(アヒ)の額(レア)のような形をしていることから名付けられたのだという。
トレッキング・ルートの入り口から山頂までの距離は約1.1キロメートル。標高差は170メートルほどなので、それほど大したことがないように思える。実際、エクササイズ代わりに一日何往復もするローカルの人もいるらしい。しかし、初めて登る人、特に私のように日ごろ運動不足がちの人には、なかなかあなどれないものだった。
ワイキキ・ビーチを中心に、ココヘッドからワイアナエまで一望できる半島の突先にあるため、この山は早くから軍事的に重要な場所とされていた。1904年にはアメリカの連邦政府に軍用地として買い上げられ、砲台の設置や攻撃統制所などが建設された。第二次大戦中には407台もの砲台が並んでいたそうだ。現在、ここは州立の自然公園になっているが、ハイキングルートのほとんどは元の軍事施設時代に作られたもの。物資を運ぶためになんども曲折して作られた道、トンネル、急勾配の階段など、普通の山道をたどるハイキングとはかなり違う雰囲気だ。
◆ハワイ名物スパムおにぎりを持って出発!
ホテル出発は午前6時30分。山頂付近で朝ごはんを食べようという計画だ。登山口でぐるりと周辺を見回すと、太古の噴火の様子が想像できるような切り立った岩壁が輪を描いて続いている。頂上まで、ほとんど「直登攀」という感じ。しばらくはゆるやかなコンクリートの歩道が続くので、周辺の木々や野鳥などを眺める余裕もあったが、折れ曲がる山道にかかったころからおしゃべりがなくなり、みんな黙々と歩いている。頂上から降りてくる人が「おはよう」と声をかけてくれるが、こちらは息があがってちょっと笑顔を見せるのがせいぜいだ。そんなとき、習ったばかりの「アロハ」の指サインはありがたい。サインを作って笑顔(ちょっと歪みがちだったかもしれないが…)を見せればOKだ。
ちょうど中腹あたりに、かなり傾斜のきつい階段が見えてきた。このコースを歩いたことがある知人から「いやぁ、あの階段はきつい。途中で座り込んでいる人もいたからなぁ」と聞いていたので、少々不安になる。しかし、そんな気分を励ましてくれるものが、ココヘッドの方向が見渡せる展望台だ。空は雨雲に覆われ、海面がほんの少し金色に光っているだけだが、「わぁ!」と思わず声が出てしまうほどの美しさだった。弾んでいた息がゆっくりと整っていくまで、しばらく海を眺めていた。
76段の階段のあとにトンネル、さらに急勾配の階段が待ち受ける。正直かなりきつい。十分な量の水は必携だ。しかし、rらせん階段を登りきると、目の前に真っ青な空とあふれるような光が広がっていた。頂上だ! 目の前には雄大な太平洋。右手にはワイキキの浜辺とダウンタウンの白い高層ビル群、左手には緑に覆われた山並み、目の下にはクラシカルな美しい灯台が見える。それまでの苦労が一挙に報われた瞬間だ。海からの強い風さえ清々しい。「まだ続くのか」とだましだましの道中だったが、それだけに1時間足らずの時間でこれほど深い達成感を感じられるハイキングルートはあまりないのではないかと思った。
残念なのは、頂上付近は広いスペースがないので、のんびり座って休憩する場所がないこと。私たちも中腹まで降りてから、お待ちかねの「スパムおにぎり」を味わうことに。缶詰のハムを薄切りにして握り飯の上に乗せ、海苔でまいたもので、塩分の強いスパムのうまみがごはんにピッタリ。少し疲れたときには、なおさらおいしい。ハワイの素晴らしさを身をもって体験できたトレッキングであった。
ダイヤモンドヘッドの早朝トレッキング
オアフ島には上級者向けの本格的トレッキング・ルートから、ゆったり海辺を歩く朝の散策向けルートまで、たくさんのハイキング・コースがある。どれもハワイの自然に触れ、深い緑のトロピカルな森林浴やバードウォッチング、ダイナミックな海岸線や滝などに出会える変化に富んだものだ。中でも、「短時間で大きな達成感を感じることができると人気なのが、ダイヤモンドヘッドのトレッキング。オアフ島のシンボルとも言えるこの山は、ホテルの部屋やビーチから眺めるだけでも十分に感動的だが、自分の足で歩いて頂上に達したときの満足感は、なんともいえないもの。できれば早朝、朝日が昇るのを眺められる時間に行くのがおすすめだ。
(現地取材:宮田麻未 写真:神尾明朗)
◆あなどれない標高差170メートル
ダイヤモンドヘッドは、およそ30万年前に噴火した火山の火口が侵食され、現在のユニークな姿となったのだそうだ。ロコたちには「レアヒ」と呼ばれているが、伝説では火の女神ペレの妹、ヒイアカがこの山頂をマグロ(アヒ)の額(レア)のような形をしていることから名付けられたのだという。
トレッキング・ルートの入り口から山頂までの距離は約1.1キロメートル。標高差は170メートルほどなので、それほど大したことがないように思える。実際、エクササイズ代わりに一日何往復もするローカルの人もいるらしい。しかし、初めて登る人、特に私のように日ごろ運動不足がちの人には、なかなかあなどれないものだった。
ワイキキ・ビーチを中心に、ココヘッドからワイアナエまで一望できる半島の突先にあるため、この山は早くから軍事的に重要な場所とされていた。1904年にはアメリカの連邦政府に軍用地として買い上げられ、砲台の設置や攻撃統制所などが建設された。第二次大戦中には407台もの砲台が並んでいたそうだ。現在、ここは州立の自然公園になっているが、ハイキングルートのほとんどは元の軍事施設時代に作られたもの。物資を運ぶためになんども曲折して作られた道、トンネル、急勾配の階段など、普通の山道をたどるハイキングとはかなり違う雰囲気だ。
◆ハワイ名物スパムおにぎりを持って出発!
ホテル出発は午前6時30分。山頂付近で朝ごはんを食べようという計画だ。登山口でぐるりと周辺を見回すと、太古の噴火の様子が想像できるような切り立った岩壁が輪を描いて続いている。頂上まで、ほとんど「直登攀」という感じ。しばらくはゆるやかなコンクリートの歩道が続くので、周辺の木々や野鳥などを眺める余裕もあったが、折れ曲がる山道にかかったころからおしゃべりがなくなり、みんな黙々と歩いている。頂上から降りてくる人が「おはよう」と声をかけてくれるが、こちらは息があがってちょっと笑顔を見せるのがせいぜいだ。そんなとき、習ったばかりの「アロハ」の指サインはありがたい。サインを作って笑顔(ちょっと歪みがちだったかもしれないが…)を見せればOKだ。
ちょうど中腹あたりに、かなり傾斜のきつい階段が見えてきた。このコースを歩いたことがある知人から「いやぁ、あの階段はきつい。途中で座り込んでいる人もいたからなぁ」と聞いていたので、少々不安になる。しかし、そんな気分を励ましてくれるものが、ココヘッドの方向が見渡せる展望台だ。空は雨雲に覆われ、海面がほんの少し金色に光っているだけだが、「わぁ!」と思わず声が出てしまうほどの美しさだった。弾んでいた息がゆっくりと整っていくまで、しばらく海を眺めていた。
76段の階段のあとにトンネル、さらに急勾配の階段が待ち受ける。正直かなりきつい。十分な量の水は必携だ。しかし、rらせん階段を登りきると、目の前に真っ青な空とあふれるような光が広がっていた。頂上だ! 目の前には雄大な太平洋。右手にはワイキキの浜辺とダウンタウンの白い高層ビル群、左手には緑に覆われた山並み、目の下にはクラシカルな美しい灯台が見える。それまでの苦労が一挙に報われた瞬間だ。海からの強い風さえ清々しい。「まだ続くのか」とだましだましの道中だったが、それだけに1時間足らずの時間でこれほど深い達成感を感じられるハイキングルートはあまりないのではないかと思った。
残念なのは、頂上付近は広いスペースがないので、のんびり座って休憩する場所がないこと。私たちも中腹まで降りてから、お待ちかねの「スパムおにぎり」を味わうことに。缶詰のハムを薄切りにして握り飯の上に乗せ、海苔でまいたもので、塩分の強いスパムのうまみがごはんにピッタリ。少し疲れたときには、なおさらおいしい。ハワイの素晴らしさを身をもって体験できたトレッキングであった。
ハイキングの後はファーマーズ・マーケットへ
ダイヤモンドヘッドの山裾に広がる、カピオラニ・コミュ
ニティカレッジの駐車場では、毎週土曜日の朝7時30分か
ら「ファーマーズ・マーケット」が催される。オアフ島内
の農家から運ばれてくる新鮮な野菜を中心に、蜂蜜やトロ
ピカルフラワー、タロイモを使ったディップや手作りのジ
ンジャエールなど、おいしそうな品を並べたお店が50軒以
上並んでいた。
まだ青いトマトの薄切りに衣をつけてあげた熱々のフライ
ド・グリーントマトや、焼きトウモロコシを食べながら、
のんびりお店を見て回る。お店の人もお客も、気軽に声を
かけあっていろいろな話をしているので、観光客の私たち
もローカルの人に自然に溶け込める雰囲気なのが嬉しい。
蜂蜜や手作りクッキーなど、おみやげ向きのものもあるの
で、ローカルらしい品を探してみるのもおすすめだ。
私はマーケットのインフォメーション・ブースで売ってい
た「ファーマーズ・マーケット・クックブック」を買うこ
とにした。ローカルの素材を生かしたおいしいアイディア
がいっぱい詰まっていそうだったからだ。しかも、作り方
は簡単そう!曜日があえば、ホテルで軽い朝食を食べてか
らダイヤモンドヘッドに登り、マーケットでランチを自由
にとる、というプランもよいのではないだろうか。