ユナイテッド航空、週末からワシントンDC線を就航−アジア強化の戦略

  • 2006年10月27日
 ユナイテッド航空(UA)太平洋地区副社長のマーク・シュワブ氏がこのほど、成田/ワシントンDC線の就航を前に現在の状況、アジアでのUAの展開について語った。

 UAは10月28日から、成田/ワシントン線を就航。シュワブ氏はこれについて両国の首都を結ぶこと、ハブ空港同士の路線であるという重要性を指摘。また、需要としても収益に影響するビジネス旅客について、「ワシントンDCはハイテクの都市でもある」と語り、政治的なつながりだけでなく、ビジネス需要についても十分に見込めるという考えを示した。さらに、観光需要としてはワシントンへの外国人訪問者の第3位が日本であることから、特に博物館やアメリカの歴史などが楽しめることを強調する。


▽アジアの中で成田のハブ機能とは

 UAは来週にも第3四半期の実績を公表する予定。今年は2月にチャプター11を脱して以来、ナスダック市場に上場、第2四半期には2000年以来6年ぶりの四半期黒字となる1億1900万米ドル(約140億円)を計上。

 このうち、UA全路線のうち24%のシェアを占めるアジア太平洋地域については特に重要であるという認識だ。第2四半期のアジア太平洋線については供給量を示す有効座席マイルが前年同期比0.6%減であったが、需要を示す有償旅客マイルは1.7%増。供給の減少はボーイングB747-400型機からB777へと需要にあわせて機材をダウンサイズしたことが要因だが、有効座席マイルあたりの収益は増加するなど、経営面では順調に推移。さらに9月のロードファクターは79.4%で、1月から9月までの平均は83.4%となっている。

 こうしたアジアでの事業拡大は、SARSで運休していた台北/サンフランシスコ線の直行便を来春にデイリーで運航を再開するほか、ソウル/サンフランシスコ線は夏季のみの運航からこの冬期から定期便としてデイリー運航、香港/サンフランシスコ線で週3便増として、計週10便体制とする。また、申請中であるが、ワシントンDC/北京線の計画もあり、成田での乗継への影響も予想される。

 ただし、シュワブ氏は成田の「ハブ機能については低下するわけではない」と言及。例えば、アメリカ本土からUAは中国本土に乗入れているのは北京、上海だが、成田はアメリカの6都市と就航。また、成田から中国へ向う際も、スターアライアンスに加盟する全日空(NH)が広州、天津など、アメリカ本土から直行便を飛ばすほどの需要ではない地点へと乗り継ぐことが出来る重要性を指摘。さらにUAは、札幌、仙台、伊丹、名古屋、広島、さらに11月から沖縄線と日本国内についてもNHとのコードシェアにより機能面としては高く評価している。