旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

HTJ、高額消費者顧客を戦略ターゲット、ホテル高稼働・座席減での予約確保には理解求める

  • 2006年6月1日
 ハワイ州観光局(HTJ)は5月31日、東京でハワイ会イーストと共同で「ハワイセミナー2006イン東京」を開催、ハワイのマーケットの現状、日本人旅行者の動向、および商品造成のための情報提供を行った。HTJエグゼクティブ・ディレクターの一倉隆氏は、2005年はハワイへの全訪問者数が過去最高となる700万人を突破し、日本マーケットも2004年、2005年と2年連続で成長を遂げた実績を評価している。
 ただ、訪問者の約500万人を占める北米の旅行者と日本からの訪問者が最も多く訪れた昨年7月、8月、ホノルルのホテル稼働率90%を上回る高い稼働率を記録したこと、および客室単価の上昇を説明、客室の確保が難しい点に関して改めて旅行会社の理解を求めた。航空座席についても供給量が減少して取りにくい状況も合わせ、成長性の高いカテゴリーへの集中を促し、特にロマンス・マーケット、インセンティブ、スポーツ・マーケット、団塊・アクティブシニアの可能性を示唆。団塊世代やアクティブシニアは昨年、日本人海外渡航者数の中で男女の55歳から59歳が前年比で高い増加率を示しており、「今後に期待できるマーケットである」ことを強調した。
 さらに、一倉氏は、「高額消費者顧客を戦略ターゲットとする」として、「消費金額が高い顧客に加え、滞在日数の長い顧客も戦略ターゲットとして設定する」と説明。ホテルの稼働率が高い水準で推移する対処として、旅行会社に対してはブッキング時期をこれまでより早く、特に各社が設定する早期割引などを利用する予約を勧めたほか、ハワイへの訪問者が比較的少ない4月、9月、11月に旅行者を誘致することを提案した。

 HTJは今年も、「ディスカバー・アロハ」をテーマに設定し一般消費者にあまり知られていないハワイの歴史、文化、イベントをアピールすることでハワイの奥深さ、および上質のデスティネーションであるイメージを打ち出すプロモーションを展開している。テーマ性のあるSIT需要の喚起を目指した取り組みとして「ウォーキング&ランニング」、「ヒストリー&アート」、「フラ」、「ロマンス」の4テーマでアクティビティ・ガイドを作成、テーマ性ある商品企画により付加価値の高さを打ち出す商品造成を勧めた。
 なお、セミナー終了後にはハワイ会イーストによるパネルディスカッションを開催。航空、ホテル、レンタカー、アクティビティ、ウェディングの各テーマの代表者が最新情報を提供した。