NAA、着陸料は騒音による6種類の料金を提案、航空トップも値下げ歓迎

  • 2005年6月2日
 成田国際空港会社(NAA)は2日、国際航空運送協会(IATA)に国際線着陸料をはじめとした空港使用料金について提案した。これによると、国際線着陸料は国際航空評議会(ACI)の世界環境委員会が採択した6種類(AからFランク)の騒音レベル基準をもとに、6つの料金を設定。現行の着陸料1トン当たり2400円のところ、最大で740円、最少でも250円の減額とした。この提案が採用された場合、ACIの航空機騒音インデックスでA(NAA案:1650円/トン)に属する約276トンのボーイングB777-200型機の着陸料は現行の66万2400円から45万5400円と20万7000円の減額、C(同:1850円/トン)に属する395トンのB747-400型機は94万8000円から73万760円と21万7240円の減額となる。
 NAAによると、03年度の国際線到着便をもとにACI騒音インデックスのランクを分けると、最も騒音が低いAランクは7%、以下順にBが25%、Cが15%、Dが21%、Eが14%、Fが18%となっている。機材別ではB747型機がE、Fランク、B747-400型機がCからFの中間区分に位置、B767型機はBとCエアバスA340型機はA、B777型機はAとBとなっている。
 また、国際線の停留料として着陸後6時間未満で1トン当たり220円、以後24時間ごと220円とした。また、新たに設定する料金として搭乗橋使用料として出発・到着とも1便あたり6900円、到着手荷物取扱施設使用料として1便あたり9400円とする。なお、この案は現時点でのNAA側の案で、今後IATAと料金協議を開始し、早い時期での適用を目指す。

 この着陸料の減額について、スターアライアンスCEOのヤーン・アルブレヒト氏は「歓迎する」と語ったほか、全日空(NH)の代表取締役の山本峯生氏は「着陸料はセントレアが現在、日本の3空港で最も安いが、成田、関西も民営化されたことで引き下げの努力はしている」とし、成田については「公団から民営化した成果がすぐに出た」と評価。また、今後は着陸料の軽減だけでなく、「滑走路の早期延長、発着回数の増加を強く望む」と次の課題を示した。
 ユナイテッド航空(UA)シニア・ヴァイス・プレジデントのグラハム・アトキンソン氏は着陸料については1日320便を運航するシカゴと一日15便の成田空港を比較し、UAがハブとして利用する空港とアジアでのハブが金額的には大きな違いがないことを引き合いに、「高い」との認識を改めて示す。ただし、「公団時代にIATAとして20%減となる着陸料の案を提示。去年からの民営化で小売店を空港内で展開するなど積極的な策に出ている」と現在のNAAを評価。今後、成田空港でスターアライアンスが第1ターミナルに集結し、「One Roof Project(ひとつ屋根の下で)」を展開するにあたり、期待感を示した。