関空、開港以来初の半期経常39億円の黒字、滑走路供用に追い風になるか

  • 2004年11月24日
 関西国際空港の平成16年度中間決算(平成16年4月1日〜9月30日)は、営業収益が前年比12.8%増の520億900万円、営業損益が92.1%増の123億7700万円、経常損益が39億4300万円(前年同期:49億6300万円の赤字)、当期純利益が35億2400万円(同:45億700万円の赤字)となり、開港以来始めての経常黒字を計上した。会長の宮本一氏は通期見通しについて、下期は年度内清算等が集中することが予期されるものの、「通期の黒字化は射程の範囲内。(2003年3月に策定した)経営改善計画で目指す2005年度に単年度黒字化を1年前倒しで実現できる」と改めて黒字化を強調した。なお、関空は通期見込みの経常利益17億円、当期純利益16億円と着地を予想する。
 また、財務相の諮問機関である財政制度等審議会が平成17年度予算編成に関する建議において、「2期事業に慎重であるべき」と答申した内容にも対応する。建議は関空の総発着回数の推移を基にした需要想定を踏まえ、平成19年の2本目の滑走路供用開始に釘を刺したが、同時に(1)関西三空港問題の検討、(2)関西空港の需要確保、(3)関西空港会社の経営基盤安定、(4)適切な地元の支援を供用開始の前提とする。こうした課題について、関空は特に(3)は今中間期の経常黒字の計上は「経費の節減と売上増が無ければ達成できないもの。3年で30億円の経費節減目標は1年半で32億円の削減となっており、評価に値する」という。また、(1)は先ごろ、国土交通省が主導した環境問題の観点から伊丹空港から国内線の発着便が移る予定となっており、日本航空(JL)、全日空(NH)あわせて18便から25便程度の見込み。特に地方路線が就航すること、スカイマーク(BC)が羽田/関西線を結び、JLがコードシェアを行うなど、発着回数も増加する見込みであることから、事業費を圧縮した限定的な供用開始に至るまでの事業費で進める考えに理解を得たい考えだ。