【Founder’s Eye】恩納村のラグジュアリーホテルで感じたこと

  • 2026年10月29日

「それ」けっこう良いかも

4月のプレオープン初日にも行った恩納村のPGMホテルリゾートに、先月、再度行ってきました。

このホテルはPGMと名が付き、ゴルフ場併設のホテルなので、ゴルファーを対象としたホテルとの認識を持つ人が多いと思います。

しかし、今回の滞在で実際に見た限り、ゴルファーは3~4割、半数以上はゴルフをされない一般の観光客の方でした。

家族やカップル、少人数のグループ、3世代など、様々な方がそれぞれの楽しみ方で滞在されていました。

その方々の様子を見ていて、これまで私自身、ラグジュアリーホテルでは禁忌だと思っていたいくつかのことに対する認識が変わりました。

例えば、朝食は良しとしても、夜のブッフェ形式の食事、ピンボールのレトロな台、麻雀部屋やビリヤード台、ダーツ、カラオケ部屋などは、大箱の温泉旅館じゃあるまいし、ラグジュアリーリゾートホテルには”ナシ”だろうと思っていました。

ところが実際のところは、このホテルには寿司屋や鉄板焼き、しゃぶしゃぶの名店も入っているのものの、食事の内容や量を自分で選びたい方や子連れの方にとっては、質が良く、種類が豊富なブッフェであれば、むしろその方が良いと思う方も少なくないようです。

また、若いカップルがピンボールをやっている、欧州系の4人のグループがダーツに興じている、家族旅行と思しき方々がカラオケを楽しんでいる。

実際にそんな光景を目の当たりにすると、滞在中の楽しみとして「それ」もありだと思えてきました。

夜にブッフェで食事をされている方も、シャンパンやワインをボトルで飲まれていたり、別の日には寿司や鉄板焼きを選択されている。

夜にダーツをやられていた方を、日中はジムでお見掛けしました。

ラグジュアリーホテルを選択する人は「これ」はするけど、「それ」はしない。

私自身、無意識のうちにそんなステレオタイプでお客様を分けていたように思います。

でも、そんなことはないんですね。

日本人のリゾート滞在も、ある意味こなれてきたのだと思います。

周りからどう見えるかではなく、その時に本当にしたいことを選択し、自然体で過ごす。

そんな人が増えてきたのではないでしょうか。

アンケートやデータから分かることも多いと思います。

でも、実際にその場にいて、お客様が何を選び、どのように楽しんでいるのかを見るからこそ気づく変化もある。

我々観光産業従事者は、お客様の様子に実際に触れ、その変化を汲み取る。

そして、それをそれぞれの感性で咀嚼し、サービスに反映させることも大切な役割なのだと思います。

「ラグジュアリーホテルにカラオケはないだろう」と思っていた私自身が、まさにそうでした。

もう一つ、このホテルに滞在していて面白いと思ったのが、ゴルファーと一般観光客のピークシーズンの違いです(釈迦に説法かもしれませんが……)。

11月から3月は、本土や韓国に比べ格段に暖かい沖縄は、日本人はもちろん、お隣の韓国のゴルファーにとってもゴルフのベストシーズンとなり、多くの方がゴルフを目的に沖縄を訪れます。

一方、一般の観光客の方が最も多く沖縄を訪れる7~8月は高温多湿のため、沖縄でのゴルフが快適な時期とは言えません。

乱暴に言い切れば、一般観光客とゴルファーにとってのピークは真逆になります。

つまり、ゴルフ場併設のラグジュアリーホテルは、一般観光客とゴルファーのピークがずれる。

ホテル側から見れば年間を通じて異なる需要を取り込めるでしょうし、宿泊する側から見れば、ある意味、空きすぎてもいない、混みすぎてもいない、快適な滞在ができる可能性が高い。

これもまた、ゴルフ場併設のリゾートホテルの魅力の一つなのだと思いました。

今回の滞在で改めて感じたのは、自分が「これはあり」「それはなし」と思っていることと、お客様が実際に求めているものは、必ずしも同じではないということです。

だからこそ、現場を見る。

そして、自分の中の「当たり前」を時々疑ってみる。

「それ、けっこう良いかも」。

そう思えることが、まだまだありそうです。

今月の一軒(出張メシ)

■お食事処三笠 松山店

那覇の老舗の食堂。
沖縄そば、ゴーヤーチャンプルや中身汁等の沖縄定番定食やオリジナルちゃんぽん、カレー、かつ丼など、何を食べても美味しくて、沖縄らしくボリュームたっぷり。
こども用の椅子や食器も揃っていて、子連れにも優しい。
お持ち帰りで買って帰る地元の方も多い、地元にも観光客にも人気の沖縄食堂のど真ん中。

岡田直樹
エフネス(トラベルビジョン)Founder。旅行業界向けメディアの運営を軸に、観光領域の事業開発に取組む。