シンガポールのファーイーストが日本展開加速 30年までに2500室体制、新ブランド投入も視野に

―2030年までに2500室体制を目指すとのことですが、具体的な戦略を教えてください

ローナー 現在さまざまな都市で交渉を進めているところで、先ほど挙げた都市に加え、東京や大阪でも軒数が増える可能性があります。基本的にはホテル運営受託契約を中心に進めますが、選択的な投資や買収も検討しており、柔軟に対応していきたいと考えています。

 日本市場は他社も進出を狙っており、運営受託、買収ともに厳しい競争環境にあります。しかし、我々はミッドスケール(中価格帯)のホテルである「ビレッジホテル」ブランドに注力しており、これが強みだと考えています。

 ミッドスケールの市場を重視する理由は3つあります。まずは市場規模が大きいこと。次にADRや稼働率が好調であること。最後は国際ブランドのホテルがまだ少ないことです。ラグジュアリーや高価格帯の分野では国際的な外資系ホテルチェーンが強い一方、ミッドスケールは独立系ホテルや国内ホテルが中心で、新規参入企業にとって参入の機会が見つけやすいと考えています。

 参入に際しては、建物の立地や骨組みなどの基礎条件が優れた物件を重視しています。改修工事の際、大規模な投資を行わずにリポジショニングできるためです。

 私たちのホテルの価格帯は1泊1万~2万円程度を想定しており、既存のホテルで2万円前後で運営しているところもあります。人件費やインフレも進んでいますが、ADRの伸びが好調だったことから、収益性を維持・向上できています。

―競争が激しいなかで、他社といかに差別化していくお考えですか
年に1回見直しているというビレッジ・パスポート(浅草)

ローナー 私たちはホテル運営会社としての運営ノウハウに強みを持っています。収益管理、ブランディング、デジタル活用などもそうですが、特にゲストサービスの品質には自信があります。スタッフはお客様の旅の目的を理解し、例えば日本人のビジネス旅行者か、訪日観光客かなどを知ることで対応を変えています。

 例えば訪日観光客には周辺地域での体験を積極的に紹介しています。ビレッジホテルでは地域とのつながりを非常に重視しており、全店舗で近隣の観光スポットや店、文化的なマナーなどを紹介する「ビレッジパスポート」をお客様に提供しています。

 ビレッジブランドでは単なる宿泊施設ではなく「地域社会の一員になるホテル」を目指しています。パスポートは地域のパートナーと協力し、共生するためのツールとして活用しています。

 また、お客様のニーズに常に気を配り、決して「ノー」と言わず解決策を見つけられるようにしています。こうした五つ星ホテルレベルの対応をミッドスケールのホテルで行っているため、お客様には大きなインパクトを与えており、口コミも好評です。

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