ワーキングホリデーを学びに組み込む新提案、バンタンが語学・ホテル観光学院を2027年開校
バンタンは、ワーキングホリデーを教育課程に組み込んだ新スクール「バンタン外語&ホテル観光学院」を2027年4月に開校する。留学を断念する最大要因である経済的負担の軽減と、拡大するインバウンド需要に伴い深刻化する語学・観光人材不足という二つの課題に同時に応える狙いだ。IHGホテルズ&リゾーツ、ハイアット、マリオット・インターナショナルといったホテルグループや留学事業者と連携し、学びと実務を直結させた人材育成モデルを提示する。
バンタンは1965年創立の専門教育機関で、「世界で一番、社会に近いスクールを創る」をビジョンに掲げ、業界の第一線で活躍するプロフェッショナルによる実践教育を展開してきた。発表会で代表取締役社長の木村良輔氏は、「その業界で今必要とされているものを学生に提供することが、最大の特徴だ」と語り、講師陣についても「今、現場で本当に働き、活躍されている方に教えていただく」と強調。東京、大阪、名古屋など全国に拠点を持ち、21万人以上の卒業生を輩出してきた同校にとって、今回の新スクールは語学・ホテル・観光分野へと教育領域を拡張する新たな試みとなる。
設立の背景には、日本の人口減少と市場縮小、そしてインバウンド急回復という構造的な変化がある。取締役の吉岡忠樹氏は、「日本国内市場だけではなく、広く世界、海外を意識した人材が今後必要になってくる」と指摘する。訪日外国人旅行者数は2025年に4200万人を超え、観光・宿泊現場では語学力と実務対応力を備えた人材不足が深刻化している。一方で、高校生・大学生の約8割が「経済的な余裕がない」ことを理由に留学を断念している現状があり、吉岡氏は「海外で学ぶ機会は必要とされているにもかかわらず、経済的な理由で諦めざるを得ない状況がある」と課題を整理した。
新スクールの最大の特徴は、ワーキングホリデーを「在学中のカリキュラム」として位置づけた点にある。従来は卒業後や休学して実施されることが多かったワーキングホリデーを、教育課程に組み込むことで、海外で働きながら学ぶ経験を単位取得とキャリア形成につなげる。就労による収入を留学費用に充てる設計とすることで、経済的負担を抑えつつ実践的な海外経験を得られる仕組みとした。
従来のワーキングホリデーで課題とされてきた就労先確保などにも対応する。留学分野ではリアブロードと連携し、現地での就労先紹介、就労後のサポートまでを一体で提供する。また、国内ではIHGホテルズ&リゾーツ、ハイアット、マリオット・インターナショナルと連携し、ホテル現場でのインターンシップ機会を用意する。各社はインターン受け入れに加え、特別講師としても参画し、実務に即した知見を提供する予定だ。
学費面では、ワーキングホリデー中の就労収入を前提とすることで、一般的な海外留学を伴う大学教育と比べて総額を抑える設計とする。併修大学の学費を含めた新スクールの学費総額は約400万円弱を想定しており、海外での実務経験を含むカリキュラムとしては低水準に抑えられている。
開校は2027年4月に東京・大阪、2028年4月に名古屋を予定している。語学力と現場対応力を兼ね備えた人材を継続的に輩出することで、観光・宿泊業界の人材不足解消に寄与するとともに、海外市場を視野に入れた次世代人材育成モデルとしての展開を目指す考えだ。

