ニューヨーク市、400周年&米建国250年で誘客強化、「歓迎の精神不変」

  • 2025年12月25日

「最も友好的で、安全で、多様性が守られたデスティネーション」

 日本から米国旅行を考える際に現在大きなハードルとなっているのが為替の問題だが、それに加えてトランプ政権による極端な政策やそれに伴う各地での混乱や分断の様子が報道やソーシャルメディアなどを通して日本にも伝えられ、それによる忌避感も無視できない課題と考えられる。

 これに対して、今回のNYCビジネス・エクスポのねらいにはそうした点も含めて現地の様子を直に感じてもらうことがあったと思われるが、実際に現地では(レストランなどのテレビで目にするニュース映像を除いて)不穏や異変を感じる場面は皆無で、たしかに百聞は一見にしかずの機会となった。

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 コーカー氏も、ニューヨーク市が旅行者を迎える姿勢には一切変わりないと断言。「すべての訪問は歓迎から始まる。そしてここには海外の旅行者を歓迎する招待状が常にある」としたうえで、「この街は変わらない。世界で最も友好的で、安全で、多様性が守られたデスティネーションであり続けている。日本の皆様が愛してくださっている世界トップクラスのホテルや博物館、ブロードウェイのショーなどもすべて変わらずここにあり、皆様を温かく迎え入れる準備が整っている」とコメントした。

 また、ニューヨーク市では11月の市長選挙で民主党候補のゾーラン・マムダニ氏が当選して年明けから舵取りを担うことが決まっているところ。市長として史上初のイスラム教徒、史上初のアフリカ出身移民で、また「民主的社会主義者」を自認していることから日本の報道でも注目されている状況だが、観光政策への影響についてコーカー氏は「マムダニ氏は選挙戦で観光業を『ニューヨーク市の命』と表現していた。これは業界で働く38万7000人以上の市民、そして5つの行政区すべてにおける観光業の経済的意義を認識している証だ」と説明。「新体制でも協力して観光業をさらに成長させ、街の隅々に平等に利益をもたらすことを楽しみにしている」と語った。