ニューヨーク市、400周年&米建国250年で誘客強化、「歓迎の精神不変」

  • 2025年12月25日

 ニューヨーク市観光会議局(NYC Tourism + Conventions)は11月、日本と韓国の旅行会社とメディアを招待して現地で日韓合同リバース・セールスミッション「NYCビジネス・エクスポ2025」を開催した。これまでは現地サプライヤーが日本や韓国を訪れる形で商談会を実施してきていたが、新たな試みとして現地にバイヤーを招待。実際に現地を見てもらうとともに、これまで日本市場との接点が少なかったセラーとの商談の機会も設けて旅行販売の活性化、多様化をめざした。

歓迎の朝食会とカンファレンスはアメリカ自然史博物館を利用。超巨大な恐竜ティタノサウルスの骨格模型の前で記念撮影 ©Watson Li/NYC Tourism + Conventions

初開催のねらいと手応え

 書面での取材に応じたプレジデント兼CEOのジュリー・コーカー氏は今回の新施策のねらいについて、「コロナ禍からの回復を考えるうえで、今のニューヨーク市を訪れて実際の状況を直接肌で感じていただくことが重要だと考えた」とし、さらに「日本や韓国へサプライヤーが出向く従来のセールスミッションには参加できないような小規模な観光業者にも貴重な機会を提供したかった」とも説明した。

 同様の試みは他の市場では先行して実施していたが、日韓2市場では初。今回は日本市場から9名、韓国市場から11名のバイヤーとそれぞれメディアが1名参加し、メインとなる主要セラー22社との1on1商談会に加え、DMCやホテル、アクティビティ、レストランなど小規模な観光業者20社との「ボロー・マーケットプレイス」も実施した。

 手応えについてコーカー氏は、「バイヤーとセラーそれぞれの熱意を目の当たりにして大変嬉しく感じている」とコメント。そして“ボロー”と呼ばれる、マンハッタン、ブルックリン、ブロンクス、クイーンズ、スタテンアイランドの5つの行政区について「実際に見てもらい観光事業者と直接交流することで、その活気や安全性に対する確信を得てもらえた」とし、バイヤー側には「ニューヨーク市の奥深い魅力を紹介する、ユニークでニッチな旅行商品の開発について創造的に考えるきっかけになった」と期待を語った。

(左から)JL鈴木玲子氏、AA徳田竜一氏

 また今回のイベントは航空会社の協力のもと開催。日本市場では日本航空(JL)とアメリカン航空(AA)の2社が参画し、AA日本地区営業部長の徳田竜一氏とJL旅客販売推進部国際線企画グループアシスタントマネジャーの鈴木玲子氏も同行。期間中のプレゼンテーションでは、両社が2011年に開始した共同事業の強みをアピールしたほか、JLのフラッグシップA350-1000型機やニューヨークJFK空港第8ターミナルのアメリカン航空新ラウンジなども紹介した。