TIFS会員インタビューVol.20 決断と出会いが導く、日本文化発信の挑戦ーBASE KYOTO川口菜見子氏
川口 まだ起業したばかりで、マーケティング、ウェブ制作、企画、営業、運営をすべて一人でこなさなければならないので、なかなか前に進まないというジレンマはあります。ずっとBtoB営業をしていたので、BtoCの営業、マーケティングなど学びながら進めていることが時間がかかっている要因ではありますが、新しいことを学ぶのは楽しいので、コツコツとできることから一歩ずつというスタンスでいます。
川口 日本文化体験、人材育成スクール、民泊運営はいずれも日本文化に関心を持つ外国人観光客を軸にしています。これらを連携させることで、観光体験にとどまらず、日本文化を学び、発信し、そして滞在までを包括する流れを生み出したいと考えています。最終的には、日本文化を世界に広める持続可能な仕組みとして発展させていきたいです。

川口 日本文化を単なる観光資源として提供するのではなく、“交流のためのツール”として活用し、地域住民と外国人観光客が相互に理解し合える場を創出していきたいと考えています。オーバーツーリズムによる摩擦の背景には、お互いの文化をよく知らないことも一因であると捉えております。だからこそ、正しい日本文化や日本人の考え方を知ってもらうことで、少しでもその解消につながればと考えています。
さらに、日本文化を正しく海外へ発信することで需要を高め、人材不足や資金不足に悩む伝統文化産業の持続的な発展にも貢献していきたいと考えています。特に、伝統文化の担い手の方々と一緒に「どう売り出していくか」を考えたり、海外の人に日本文化を知ってもらうために協業していきたいという思いがあります。京都には観光客向けのカジュアルなサービスも多いですが、それらとは一線を画した本物志向のサービスをつくっていきたいと考えています。現在はパートナー探しと企画の段階で、非公開寺院との提携なども進めています。また、インバウンドに対応するウェディング会社から声をかけてもらったり、民泊事業ではプライベートのご縁から話が広がるなど、人とのつながりを通じて展開しているのも大きな特徴です。同じ熱量で動ける仲間と取り組むことで、より強い発信につなげていきたいと思います。
川口 まずは現在の企画を軌道に乗せることに集中したいですが、私の出身地である金沢でも同じような取り組みができればなと漠然と考えています。
川口 日本文化を通して地域の人と外国人観光客が自然に交流できる場を作ることを目指しています。さらに、ビジネス茶道研修やチームビルディングなどの法人向けプログラムも準備しており、国際会議や研修の場で外国人社員や役員との交流を深めたり、社内の連携を強化したりすることも可能です。地域の魅力を守りながら、人と人がつながり、日本文化を学びながら楽しめる取り組みを広げていけたら嬉しいです。
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