TIFS会員インタビューVol.17 自由な働き方でデザインする旅:久米島から未来を見据えてー一時合同会社デべス・アレックス氏

  • 2025年8月19日
  • 出典:一般社団法人新観光創造連合会(TIFS)
-久米島での事業について教えてください。
インタビューは8月16日オープンのワインバーで実施した

デべス 久米島では、旅行会社としての活動に加えて、新しくワインバー「Le Consulat(ル・コンスラ)」を開業準備中です。建物は島の方から直接購入しました。実はこの建物を紹介してくれたのは、私が旅行で久米島を訪れていた頃からお世話になっていたレンタルバイク店のオーナーさん。長年の信頼関係があったからこそ、不動産会社を介さず直接売買が成立しました。

 このバーは自分たちで一年かけて改装し、将来的には海辺でのサービスやデリバリーも行う予定です。さらに、将来的にはブティックホテルもやってみたい。久米島にはハイエンドなお客様を受け入れられる宿泊施設がほとんどなく、それなら自分で作り、旅行会社としてのサービスと組み合わせることで相乗効果を生みたいと思っています。ホテルと旅行会社、飲食事業をすべてつなぎ、より大きな価値を提供するのが目標です。

-久米島の魅力は?

デべス 初めて来たのは留学生の頃。沖縄本島行きのチケットが高く、偶然見つけた久米島行きが安かったのがきっかけです。海と山があり、どこかレバノンを思い出させる景色。人の距離感やフレンドリーさも中東に似ています。那覇までは飛行機で25分と近く、生活面でも不便がありません。

 ヨーロッパの方は2週間ほど滞在してのんびり過ごす方が多く、「まだこんな場所が残っているんだ」と感動されます。海でゆったり過ごし、夜は美味しいものを食べる――それだけで幸せだと言います。

-久米島でのおすすめの飲食店は?

デべス 「萌か(もえか)」という居酒屋は、オーナーが漁師で魚がとても美味しいです。北海道出身の友人が営む「北海道居酒屋 ラムラム」もおすすめで、沖縄料理以外を食べたい方に好評です。若い人に人気の「シマバルようじ」は、三兄弟が営むモダンな居酒屋。パンなら「ふーちヌーパン」。地元の方が丁寧に作るハード系もメロンパンも絶品です。

-観光業界へのメッセージをお願いいたします。

デべス 私は、外国人と日本人で料金を変える「二重価格」ではなく、誰でも手に取りやすい価格帯から高級なものまで揃え、選択肢を提供するほうが健全だと考えています。ワインバーでも3,000円のボトルから30万円のものまで用意し、島の方も観光客も同じ条件で楽しめるようにしたい。同じサービスで価格を分けるのではなく、必要に応じて付加価値を加え、それに応じた料金を設定するのが理想です。

一時合同会社
ハイエンド向けオーダーメイド旅行の企画・手配、現地視察に基づく厳選エリアでのサービス提供、新規事業の開発と地域との関わり

ワインバー Le Consulat(ル・コンスラ)
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