TIFS会員インタビューVol.17 自由な働き方でデザインする旅:久米島から未来を見据えてー一時合同会社デべス・アレックス氏
TIFS会員の取組をご紹介するシリーズ第17弾は青い海とゆったりした時間が流れる久米島を拠点のひとつに、ハイエンドなインバウンド旅行を手がけるのが一時(ひととき)合同会社代表のアレックス・デべス氏に話を伺いました。場所に縛られない働き方で質を守りつつ、新たな挑戦を続ける同氏の取り組みをご紹介します。

アレックス・デベス氏(以下敬称略) アレックス・デべスといいます。フランス出身ですが、父がフランス人、母がレバノン人です。日本に初めて来たのは2008年。家族がレバノンを離れて各国に散らばり、そのうちの一人が日本に住んでいたので会いに来ました。それがきっかけで日本に興味を持ち、日本語を勉強しようと留学。その後はずっと日本で仕事をしています。
最初は他の旅行会社で働いていましたが、もっとブティックスタイルの、細やかなサービスをする会社をやりたいと思い、2016年に「一時」を立ち上げました。FIT向けのプライベートなラグジュアリーツアーに特化し、GMC(ランドオペレーター)とホテルコンシェルジュの中間のような立ち位置で、お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供しています。現在は創業9年目で、来年10周年を迎えます。顧客層はアメリカ市場が大半を占め、ヨーロッパからの来訪も一定数あります。
デべス 当初は中東のお客様を中心に考えていましたが、中東と日本は文化も旅のスタイルも大きく異なり、小規模の会社で対応するには難しい面が多かったんです。 その点、アメリカのお客様は、私たちの規模やサービススタイルと非常に相性が良い。日々の連絡や急なリクエストにも柔軟に対応できますし、満足度も高いです。
BtoBとBtoCの両方を手がけていますが、BtoCで満足されたお客様が友人や家族を紹介してくださり、それがBtoBにも広がっています。アメリカ大使館関係者からの依頼もあり、「大使館職員の手配をしている会社なら安心だ」と契約につながることも多いですね。アメリカの旅行会社やホームエージェントともつながっており、ラグジュアリーマーケットに特化しています。
デべス ゴールデンルートはもちろん取り扱いますが、それ以外の地域は、私自身が現地を視察し、信頼できるパートナーを見つけられた場所に限定しています。たとえば九州の鹿児島や屋久島など。現地をよく知り、自信を持っておすすめできるエリアだけを販売する方針です。
以前は沖縄本島も多かったのですが、最近はアメリカ人にあまり人気がなくなりました。久米島に移住したのはコロナ禍。最初は拠点が東京から離れて大丈夫かと心配でしたが、東京や大阪に出向くこともありますし、東京にはスタッフもいるので問題ありません。現在は東京・久米島・フランスの3拠点体制です。