豪州、29年68万人への道筋と現在地(1)-TAデレック・ベインズ日本局長インタビュー

  • 2025年6月3日
-68万人の目標についてお考えをお聞かせください

ベインズ 大きなターゲットだが実現は可能だと思う。日本の経済がどうなるかによるし円の力がどうなるかなど色々あるけれども、達成に向けてがんばっていきたい。

 成長のポテンシャルはすべてのセグメントにある。ワーキングホリデーはまだまだ人気でこのまま続いていくと見ているし、修学旅行も非常に好調。今後も伸びると思う。また、例えばファミリーや3世代での旅行はこの数年はそこまで強くなかったが、これから伸びていくだろう。お父さんがワーキングホリデーで行ったから将来子どもと行こうとか、おばあさんが40年前に新婚旅行で行ったからみんなで行こうとか、そういう機会があるのではないか。いいキャンペーンができそうだ。


ATE会場、TAブース
-ATEが開催されたブリスベンは2032年のオリンピック・パラリンピックの開催も控えています

ベインズ 大きなイベントがある時にはそれに関するキャンペーンを色々することになる。オリンピックはブリスベンとクイーンズランド州の認知度を高めるチャンスだ。露出もこれからどんどん増えてくるはずで、それが観光にも効果をもたらしてくれると期待している。

 ブリスベンは最近大規模な再開発など様々なプロジェクトが完成して大きな変貌を遂げた。私もブリスベン出身なのだが、新しい橋が何本もできて中心部とサウスバンクのつながりがついにできた気がしている。ATEは新しいブリスベンを紹介する機会になった。

 今後は、ブリスベンとゴールドコーストを組み合わせて楽しんでいただけるようにしたい。近い距離にありながら都会的なブリスベンと自然にあふれるゴールドコーストを一度に旅行できるのは非常に魅力的であるはずだ。皆さんにも販売促進策を是非一緒に考えていただきたいと思う。

-近年オーストラリアの観光業界ではアボリジナル体験が盛り上がってきている印象ですが、日本市場での認知獲得はどのようにお考えでしょうか

ベインズ まずは、とても長い歴史があるという事実をみなさんにできるだけ頻繁にお伝えしたい。そして歴史だけでなく、今現在どういう形で接点を持てるかも伝えていきたい。ウォーキングツアーやオーストラリア固有の果物やハーブについて学べるブッシュ・タッカーはもちろん、シドニーのブリッジクライムなどアボリジナルピープルの視点によってさらに価値を高めることに成功している既存の人気アクティビティもある。先住民の生活を色々な面で皆様に知ってもらいたい。

-ありがとうございました