豪州、29年68万人への道筋と現在地(1)-TAデレック・ベインズ日本局長インタビュー
-航空路線の状況についてはいかがでしょう
ベインズ パース線が週3便で再開し、ケアンズ線はヴァージン・オーストラリア(VA)が飛ばなくなったが日豪間全体で見ればキャパシティの5%程度。ケアンズへの影響は大きいが、全体ではカンタス航空(QF)が12月から札幌線の季節便を就航することもありコロナ前の規模を大きく上回っていく見込みだ。札幌線は、訪日需要が大きいとは思うがある程度日本市場にも座席を用意してくれると理解している。今年2月にはQFが札幌でランチレセプションも開催されている。
中長期的にはメルボルンやパースの増便が期待でき、また南オーストラリア州政府が要望しているアデレード線もいつか実現したら嬉しい。さらに、これも長期スパンでの話で、機材不足など世界中の航空会社が直面する問題もあるが日本のLCC、ZIPAIRやAirJapanの路線開設にも期待している。
-生成AIなどテクノロジーの進化が目立ちますが、日本市場でのマーケティングのあり方をどうお考えでしょうか
ベインズ いろいろな面で変わっていっていると思うが、ホールセラーはまだまだとても大事な流通チャネルだと言える。直接航空会社のサイトで買ったりOTAで買ったりという傾向もあるものの、今でも60%から70%は旅行会社を経由している。もちろん時間の経過とともにこの割合は変化していくはずでその傾向を見定めながら活動していく必要はあるが、長期的にも旅行会社との関係は重要だ。
消費者向けのダイレクトマーケティングではFacebook、Instagram、TikTok、Xの4つのソーシャルメディアで毎日のように投稿していて、これら4つで全体のマーケットをカバーできると考えいている。投稿は、それぞれのチャンネルに相性のいいコンテンツやスタイルが異なるためその特性に合わせて運用している。