観光業界のシニア採用ポイント4選、後悔しない求人と選考の方法とは?-シニアジョブ中島康恵氏

  • 2025年6月5日

 観光業界の人手不足は深刻なため、シニアの採用を検討する企業も多いと思われます。また、既にシニアからの応募しか集まらない、従業員の多くがシニアという企業も少なくないでしょう。では、有能なシニアを効果的に採用するには、どうすればよいのでしょうか。今回は、そんなシニアの採用ノウハウを、シニアジョブ代表取締役である私、中島康恵がご紹介します。
※ 第1回目のコラムはこちら

採用企業がシニアに求めるもの

 シニアの採用で多くの企業が求めるのは、「即戦力」であることです。そのため、選考でも「即戦力」として十分な経験やスキルを持っているのか、または、戦力のマイナスとなるような要素がないかのチェックが基本となります。

 若手では評価される、伸びしろ・潜在能力などは、シニアではあまり評価されず、「即戦力」かどうかをプラスとマイナスの両面から判断することが多いのですが、シニアの場合、他の世代とは異なる判断を誤ってしまう要因が多くあるため、そのあたりを踏まえた採用のポイントを4つ紹介します。

1.バイアスを捨てる

 シニア採用でもっとも大事なことは、「シニア」という先入観(バイアス)で判断しないことです。

 前回も述べましたが、私自身もシニアを採用してみるまでは、シニアは頑固で言うことを聞かないのではないかと思っていました。しかし、実際のシニアはそんなことはなく、一部に頑固な人がいても、柔和で素直な人も多くいます。

 先入観で誤った判断をしてしまうだけでなく、急速な時代の変化でシニアの実態も数年前と大きく変化しているため、古いイメージでシニア全体を捉えてしまうのはよくありません。先入観ではなく、実際の受け答えや実績で判断しましょう。

2.必要な話だけを聞く

 若手よりも経歴が膨大となるシニアの場合、経歴だけでなく、そこに含まれる仕事や退職理由などのエピソードも膨大であり、話が膨らんだり逸れたりしがちです。重要な質疑応答の時間を削らないためにも、アイスブレイクなどを除き、極力、判断に必要な話だけを聞きましょう。

 シニアだから仕方がないと聞き流さず、必要に応じて話を遮ってでも、要点のみに絞ったヒアリングをしたいところです。

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