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ANAHD、国際線旅客・貨物ともに伸長 2025年3月期は増収減益

  • 2025年5月1日

 ANAホールディングスは4月30日、2025年3月期(2024年4月〜2025年3月)の連結決算を発表した。国際線を中心とする旅客需要の回復により、売上高は過去最高を更新したが、人件費や整備費の増加が利益を圧迫し、営業利益と純利益はいずれも前期を下回った。

 2025年3月期のANAホールディングスの連結売上高は前期比10.0%増の2兆2618億円。国際線の旅客需要が旺盛で、昨年12月以降に新規就航した羽田=ミラノ線やストックホルム線、イスタンブール線の寄与もあり、国際線収入は8055億円(前期比10.6%増)、旅客数は807万人(同13.1%増)といずれも大きく伸長した。

 国内線においても、「ANA SUPER VALUEセール」などによる需要喚起策が奏功し、旅客数は4405万人(同8.1%増)、収入は7039億円(同9.2%増)と堅調に推移した。

 一方で、運航規模の拡大に伴う整備機会の増加や、人材への投資強化により費用が増加し、営業利益は1966億円(同5.4%減)、経常利益は2000億円(同3.6%減)、純利益は1530億円(同2.6%減)となった。

 貨物事業では、国際線貨物がアジア発北米向けの三国間貨物の需要拡大や高付加価値商材の輸送増により、輸送重量704千トン(同3.6%増)、収入は1873億円(同20.5%増)と好調に推移した。成田空港では新たな貨物施設の運用を開始し、作業効率や品質向上にも取り組んでいる。

 LCC部門では、Peachが機材を国際線に重点配分した影響で国内旅客数は減少したが、収入は1393億円(同0.9%増)と微増。昨年発足した新ブランドのAirJapanは、旅客数42万人、収入117億円を記録した。

 旅行事業は、ハワイや欧州方面を中心とした海外旅行が堅調に推移したものの、国内旅行の販売が伸び悩み、売上高は735億円(同6.3%減)、営業利益は1億円(同85.9%減)と大幅な減益となった。

 このほか、空港地上支援業務や機内食関連業務の受託が伸びた航空関連事業は売上高3372億円(同12.9%増)と増収も、営業利益は費用増で40億円(同40.4%減)にとどまった。商社事業では空港店舗や免税店の売上が好調で1299億円(同10.2%増)を計上したが、人件費増加で営業利益は横ばいだった。

 2026年3月期は、売上高2兆3700億円(同4.8%増)、純利益1220億円(同20.3%減)を見込む。訪日需要の継続を前提に事業拡大を図る一方、減免や補助金の反動減により利益は減益となる見通し。