スリランカで感じた仕事における「信頼」の重要性-KYOTOyui 近藤芳彦氏
■ 京都の文化に通じる「信頼を重んじる仕事」
この旅を通して私が何より感銘を受けたのは、友人の在り方と、その周囲にいる人々が「信頼」を何よりも大切にしているという事実でした。
京都には「一見さんお断り」という文化がありますが、これは排他的ではなく、「信頼関係があってこそ成り立つ仕事」を重んじるという意味合いです。今回のスリランカでの出会いはまさにその文化と重なり、信頼の上に築かれた人間関係こそが、ビジネスや交流を豊かにするものだと再確認することができました。
■ 海辺の夕べと、歴史の風
旅の締めくくりに、海沿いのレストランでスリランカ在住の経営者仲間と、私の親友と一緒に夕食を囲む時間がありました。沈む夕日が海に反射し、ゆっくりと時間が流れる中、スリランカの今後について、また今のスリランカの政治状況などについて聞きました。そこで聞いた話が私の中で驚きの連続の話しで、今回来た甲斐があったなぁ~と感じれた時間でした。
■ 旅の学びを、二つの言葉で
今回のスリランカ訪問を通して、私が得た大きな学びは2つあります。
ひとつ目は、「信頼がすべての土台である」ということ。友人の紹介だからこそ出会えた人々。即断即決を可能にした教育者と友人との関係、飾らない姿で迎えてくれた農園オーナーとの会話、どれも信頼があるからこそ成立していた時間でした。スリランカという異国の地で、日本人が忘れかけていた「信頼の上に成り立つ仕事」を体感させていただいたことは、これからの自分の人生や仕事にも大きな指針となると確信しています。
ふたつ目は、「日本人としての誇りと責任を改めて見つめる必要がある」ということ。今回出会ったスリランカの子どもたちや経営者たちは、日本に対して純粋な憧れや尊敬の念を持って接してくれました。その眼差しに応えるためには、私たちがもっと自分たちの国に誇りを持ち、その良さを伝え続けていく努力が求められます。
私たちは今、インバウンドという言葉に象徴されるように、世界との接点を数多く持つ立場にあります。ただ観光客を迎えるだけでなく、私たち自身がどのような日本人であるかを見られている。だからこそ、自分たちの文化や価値観に胸を張り、信頼され続ける国でありたいと心から思います。
株式会社KYOTOyui代表取締役。トラベル京都代表。京都観光サポーター。1972年3月生まれ、大阪トラベルジャーナル旅行専門学校卒業後、旅行会社に3年ほど勤めるが、結婚を機に退職し、その後は他業種に就いたものの2006年に旅行業を立上げ、2016年には法人の観光業を営んでいる。趣味は「旅×仕事」です。