スリランカで感じた仕事における「信頼」の重要性-KYOTOyui 近藤芳彦氏
KYOTOyuiの近藤芳彦です。今回の寄稿では35年来の友人であるスリランカ人の紹介で訪れた、スリランカでの貴重な体験についてご紹介させていただきます。この旅を通じて、「信頼」という言葉の本質を、改めて深く感じる機会となりました。
■ ご縁から始まった訪問
きっかけは友人が「先ずは近藤さんの目でスリランカを見て欲しい!そして現地で信頼できる仲間がいるからぜひ会ってみてほしい」と言ってくれたことでした。私はそれまでスリランカについて詳しい知識があったわけではありませんが、彼の言葉と人柄に惹かれ、この機会を大切にしたいと思い旅に出ました。
現地では、2人の印象的な経営者の方と出会いました。ひとりは学校を経営し、教育に力を注ぐ人物。もうひとりは、シナモン農園や宝石鉱山などを手がけるオーナーです。それぞれ異なる分野ながら、私の友人との信頼を軸にしている、という点で共通していました。
■ 即断即決の教育者、その背景にある信頼
まず訪れた学校では、子どもたちがのびのびと学び、明るく活発な雰囲気が印象的でした。ここで私が最も感銘を受けたのは、経営者であるオーナーの姿勢です。判断が早く、話を聞いたその場で即決する様子を目の当たりにしました。
実は、私の友人とそのオーナーは旧知の仲で、二人の間で交わされる会話には無駄がなく、まるで長年積み上げてきた信頼の上でのみ成立するテンポと理解がありました。笑いの絶えない中でも意思が通じている。そんな関係性があるからこそ、即断即決が成立しているのだと深く納得しました。
これはまさに、私たち日本人がかつて大切にしてきた“信頼”の形だと感じます。信頼があればビジネス会話はいらず、信頼があるからこそスピード感が出る。その姿に見習うべき経営者像を見たように思いました。
■ 飾らず、自然体のオーナー

次に訪問したのは、シナモン農園と宝石鉱山を手がける多角経営のオーナーのもとでした。彼はとても自然体で、飾らず、そして穏やか。農園の中を一緒に歩きながら交わされた会話の中には、数々の友人との信頼関係があるからこそ話せる内容がありました。
彼の話しぶりや表情からは、見せかけのもてなしや作られた演出は一切なく、純粋に「人として信頼しているから話せる」という空気が感じられました。それがまた、聞いているこちらの心にも響くのです。
香り高いスリランカ産のシナモンが育まれている畑を歩きながら、人と人との信頼が仕事の質を決めるという、シンプルだけれど忘れがちな真理を肌で感じました。