ロサンゼルス、今年は日本人過去最多の35万人予想、「We Love LA」キャンペーンも
ロサンゼルス観光局CMOのドン・スキオー氏は3月18日に都内で開催したメディア懇親会で、2025年の日本人訪問者数について過去最多となる35万人を予想していることを明かした。日本からの訪問者はコロナ禍で減少したものの2023年は23万人、2024年は32万人となり、大谷翔平選手の活躍も追い風に今年はさらなる増加を見込む。
プレゼンテーションでは、「アート&カルチャー」「アウトドア&ウェルネス」「ダイニング&ナイトライフ」「テーマパーク&アトラクション」「ショッピング&ファッション」「プロスポーツ&ライブイベント」の6つを柱として観光の魅力をアピール。
例えば「アート&カルチャー」では150軒の美術館/博物館が揃うこと、「アウトドア&ウェルネス」では年間330日という高い晴天率のなかでのハイキングや最近人気が出ているという子ヤギとのヨガ体験などアクティビティを紹介。また「テーマパーク&アトラクション」ではユニバーサル・スタジオ・ハリウッドで一昨年に開業したスーパー・ニンテンドー・ワールドなどを取り上げた。
なかでも最も力を入れて紹介したのがスポーツで、ドジャースを含め11のプロスポーツがロサンゼルスを本拠地としていること、2018年のNBAオールスター、19年の競馬のブリーダーズカップ、20年のMLBオールスター、22年のスーパーボウルと毎年のように大規模なスポーツイベントが開催され、今後も26年のサッカーワールドカップ、27年のスーパーボウル、28年のオリンピック・パラリンピックが予定されていることなどを詳しく説明。オリンピックについては、すでにすべての競技会場が完成しているという。
同氏らの今回の来日もドジャースとカブスによるMLBの開幕戦に合わせたもので、さらにロサンゼルス観光局では注目の高まりを見込んで3月10日から「We Love LA」キャンペーンも開始しているところ。グローバルで展開しているキャンペーンの一環で、往年のバスケットボールの名選手で現在はドジャースの共同オーナーであるマジック・ジョンソン氏らをブランドアンバサダーに起用した動画やバナーなどを制作し、日本でも都内の屋外サイネージやオンライン、さらに高級マンション内のモニターでも配信。
また、3Dの三毛猫のアニメーションで人気の新宿のサイネージでも三毛猫とのコラボ動画を放映している。
日本からの観光客誘致拡大に向けては、3月19日にHISと業務提携を締結。旅行商品の開発や販売促進、マーケティング活動を強化し、持続的な観光交流の実現を目指す。ロサンゼルス観光局はHISのスタッフ研修や視察旅行を支援し、現地の魅力を深く理解したうえで旅行商品を提案できる体制を整える。HISの各店舗では、ロサンゼルスのプロモーションを展開し、店舗内装飾やイベント、その他デジタルプロモーションなどを通じて旅行先としての魅力を発信する。
このほか、スキオー氏は日本でも大きく報じられた山火事の影響についても言及。数千人の市民が住居を失うなど甚大な被害が出た一方で、焼失した面積は市全体の2%に留まって観光エリアにはほぼ影響なく、主要観光スポットやホテル、レストランなどは通常営業に戻っているとのこと。スキオー氏は「観光は54万人を雇用している。訪問することで復興をサポートしてほしい」と呼びかけた。
なお、プレゼンテーションではミッションとして総支配人が来日したJWマリオット・ロサンゼルス・LAライブ/ザ・リッツ・カールトン・ロサンゼルス・LAライブ、Wロサンゼルスの施設も紹介。このうちWロサンゼルスは数十億円規模のリノベーションを終えており、屋上のイベント用スペースには世界でもおそらく初という3D立体音響システムを導入したという。またホテル関連では、コロナ後に合計で9000室の客室が新たに加わったことも紹介された。