地方誘客目指す"地域観光魅力向上事業"、観光コンテンツの販売にフォーカス
観光コンテンツの販売に必要なこと

篠原 観光コンテンツを造成したものの、モニターツアーで終了し、持続的な販売につながらないケースは適切な価格設定ができていないことや、長期的な事業計画を策定できていないこと。地域の中で、事業を継続していくための関係者間の合意形成が不十分で、受け入れ体制を構築できていないことなどが要因と考えられる。
補助金がなくても自走できることを前提に、価格設定や体制を構築する必要がある。
豊重 地域観光魅力向上事業では伴走支援を行いながら、地域で自走できる取り組みを強化する。申請前には専門家による「地域観光魅力向上事業スタートアップセッション」を開催し、事業計画の磨き上げにつながる情報を提供した。
さらに、採択後も①専門家によるオンラインセミナーの開催、②地域観光サポーターによるアドバイス、③SNS等を活用した情報発信支援、④旅行会社等との商談会の開催、⑤事業に関する個別相談の実施、といった5つの支援を行う。SNS活用に関しては、前回事業でインフルエンサー派遣を行ったところ、実施主体からの反響は大きかった。Instagramの投稿に販売までの導線を設けるといった施策が有効で、引き続きSNS活用は支援していきたい。
前回事業同様に、本事業でも「販売型」と「新創出型」の2つの類型を設けた。販売型は事業実施期間内に造成した観光コンテンツを販売することを目的に、新創出型は新たな観光コンテンツの造成と販路構築を行い、事業終了後に速やかに販売を開始することが求められる。
篠原 前回の地域観光新発見事業は、地域の隠れた魅力を掘り起こしていく、"新発見"することに重きを置いていたが、今回は"販売"にフォーカスしている。どちらの類型であっても、地域と連携した受け入れ体制の構築と、販路を明確にして継続していける事業計画が求められる。
豊重 本事業では、申請時には、事業計画書や費用積算書、スケジュールなど5つの書類を提出していただき、提出された書類を基に①持続可能な観光地域づくりへの寄与、②独自性・新規性、③具体性・計画性、④実施体制・持続性、⑤収益性の5つの観点から総合的に審査をしていく。本事業への応募を是非ご検討いただきたい。