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日本の給与不満率58%でアジア最高水準、「報酬制度の見直し」不可欠

  • 2025年3月10日

 日本の従業員の58%が給与に不満を抱いており、アジア6カ国・地域の中で最も高い割合となっていることが、外資系人材紹介会社ヘイズ・ジャパンが発表した2025年ヘイズ アジア給与ガイドで明らかになった。調査は2024年後半に実施され、3670名の採用担当者と8790名の従業員を対象に、給与の変動見込みや満足度についての意見が収集された。

 調査によると、2025年に昇給を見込む日本の従業員は70%に上るが、シンガポール(75%)やマレーシア(80%)と比較すると低水準にとどまる。給与が据え置かれると予想する日本の従業員は26%、引き下げを見込むのは5%で、昇給に対する期待の低さが際立った。

 給与に対する不満が高まる中、転職を検討する日本の従業員は33%に達し、2024年の23%から大幅に増加している。給与が職務内容に見合っていないと感じる日本の従業員は41%に上り、シンガポール(42%)、マレーシア(47%)と同様に高い水準を示している。一方、この傾向は日本に限らず、アジア各国で見られ、特にマレーシアでは56%が給与を理由に転職を検討しているという。

 アジア全体の給与動向としては、経済の先行きに慎重な見方が続くものの、給与の据え置きを予想する人の割合は2024年の29%から2025年には23%に減少。給与の引き下げを懸念する人も前年の7%から6%に減った。雇用主の34%が2.5%〜5%の昇給を予定しており、優秀な人材には6%〜10%の昇給を予定する企業も10%に達している。

 ヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクターであるグラント・トレンズ氏は、日本の企業は貴重な人材を維持するために、報酬制度の見直しが不可欠だと指摘する。競合他社による人材獲得がスキル不足の最大要因となっており、企業は市場動向を考慮した給与調整を進めることが求められている。