TIFS会員インタビューVol.15 「韓国なら三進」独自の発想で新たな旅行体験を創出する挑戦-三進トラベルサービス 立木健康氏

  • 2025年3月10日
  • 出典:一般社団法人新観光創造連合会(TIFS)
-三進トラベルサービスならではの強みは何でしょう?

立木 当社は韓国専門でやっているので、大手とは違う差別化ができます。大手旅行会社は価格競争に走りがちですが、当社は価格だけでなく、きちんとお客様の目的を達成させるための、体験価値を重視したツアーを作ることにこだわっています。単にバスやホテルを手配するだけではなく、現地と連携して特別な体験を盛り込むことで、他社にはない差別化を図っています。

 ソウル以外の韓国の地方都市でも、日本と韓国の文化交流の場を作ることにも力を入れています。修学旅行市場では大手による独壇場と思いますが、私たちも日本の学校の韓国への修学旅行を最近直接に受注することができたのは誇りに思います。韓国での教育旅行の提案には自信があるため、積極的に学校への営業を進めていきたいと考えています。

-今後の展望についてお聞かせください。

立木 三進が目指すのは、単なる観光旅行にとどまらず、新しいツーリズムを創出することです。物見遊山に終わらせるのではなく、韓国をフィールドにして多様な新しい観光の形を提供していきたいと考えています。そのためには、従来の視点にとらわれない新たな発想が不可欠です。ソウル中心の旅行にこだわらず、小さな地方都市にも目を向けることで、隠れた魅力を発掘し、旅行者に新しい体験を提供します。また、文化交流や現地体験を重視したプログラムを充実させ、観光だけでなく人と人とをつなぐ場を作っていきたいと考えています。

 発想の転換も大事だと思います。例えば、先日電車に乗っているときに北総鉄道のハイキングイベントのチラシを見かけました。鉄道会社が自衛隊の協力を得て、以前住んでいた近所にあり、当たり前に存在している航空基地周辺を歩くツアーを企画したものでしたが、まさに見せ方次第で新しい観光の価値が生まれる好事例だなと思いました。

-韓国旅行はまだまだ深堀り出来る余地があるということですね

立木 はい、その通りです。私自身も韓国には観光資源がないと思っていた時期もありましたが、実はたくさんある。それをきちんと伝えていきたいです。韓国はソウルだけではありません。小さい国ですが、全土に良いものがあります。例えば、韓国でも有数の「美食の地」とされている全羅南道(チョルラナムド)では、山の幸、海の幸を味わえます。わたしはこれこそが本当の韓国料理だと思っています。また全羅北道(チョルラブクト)にはマッコリ村があって、マッコリをやかんでオーダーでき、付随して勝手におつまみが出てきます。マッコリも上澄みと沈殿しているものをそれぞれ味わえます。もちろん混ぜても良しです。日本酒と同じで地域ごとに伝統のマッコリがあるんです。

 身近なところで言うと、当社では空港までガイドが迎えに来てホテルまで送迎というスタイルを変えて、鉄道に乗るようにしてもらっています。価格は安くなりますし、電車に乗るという体験自体もコンテンツになりますので。現在は値段よりも価値や中身で選んでいる人が増えてきているので、内容によっては韓国2泊3日で20万円を超える商品もありますが、それでも望むお客さんが当たり前にいます。