TIFS会員インタビューVol.15 「韓国なら三進」独自の発想で新たな旅行体験を創出する挑戦-三進トラベルサービス 立木健康氏
TIFS会員の取組をご紹介するシリーズ第15弾は韓国専門の旅行手配・ランドオペレーターとして27年の実績を誇る三進トラベルサービスの立木健康さんの取り組みをご紹介します。事業概要やコロナ禍の取り組みは過去のトラベルビジョンのインタビューでもご紹介されておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

立木健康氏(以下敬称略) コロナ禍では、本当に業績が厳しくて、何ができるか必死に考えました。韓国に関連する事業として、有料のオンラインツアーや物産品の輸入販売を始めました。例えばマッコリの販売ですね。そのために、お酒の販売免許も取得しました。助成金も活用しましたが、何より社員を解雇せずに済んだのがよかったです。
立木 韓国へのアウトバウンドは、2022年の後半から回復し、当時でコロナ禍前の8~9割ほど戻り、昨年度はコロナ禍以前に比べて1.5倍に成長しました。正直、揺り戻しのバブルもあったと思います。ただ、コロナ禍前にいた競争相手が減ったことや、B2B事業を本格的に始めたことも大きな要因です。ANTAのネットワークを活用し、FAXでの宣伝を行った結果、全国の旅行会社さんから仕事をいただくようになりました。また、見積もりサイトに掲載したことで、社員旅行などの団体案件の受注も増えました。
また、韓国旅行は安・近・短なデスティネーションですが、コロナ禍前はお土産屋さんからのキックバックありきで地上費を下げるべくガイド料は料金に組み込まない旅行会社もあり、その分価格競争が苛烈でしたが、コロナ禍により全てリセットされ、例えばどのツアーもきちんとガイド料をツアー代金に転嫁するようになったため、価格が適正になり当社としても価格競争ではない、内容を重視するところに競争性が出たと思います。
以前は組織団体や案件がありそうなところに営業をしていましたが、最近は「料理の先生が生徒を連れて韓国にいきたい」「企業視察に行きたい」など、今までならこちらから営業していたものが逆にお客様のほうからの相談が増えました。韓国アイドルグループの聖地巡りツアーなども月1本くらいのペースで実施しています。27年間続けてきたおかげで、「韓国なら三進」という認知度が高くなったのではないかと嬉しく思っています。
立木 昔から細々とはやっていたのですが、最近になって本格的に取り組んでいます。韓国からの訪日旅行に関しては、しっかりした現地とのパイプがありますので、そこからの案件が増えています。我々日本人から見て、日本のまだ知られていないところのツアー造成をしてほしいという要望にも多く応えて他と差別化しております。また、韓国の学生が日本に来る交流プログラムの競争入札にも参加して力を入れております。