個人旅行をもっと自由に-テクノロジーで進化するOoohの旅づくり
-WILLER ACROSSなど日本の旅行を取り扱う会社と提携し、インバウンド市場への参入を進めていますね。
山下 日本のアウトバウンド市場はテストマーケット的な位置づけであり、本命は海外市場です。日本では人口減少や海外離れから旅行者が減少傾向にありますが、タイやインド、インドネシアといったアジアの新興富裕層の海外旅行需要は今後増加すると見込んでいます。そうした層に向けて、日本を旅行先のひとつとして提案し、インバウンド事業を強化するために日本の旅行を取り扱う会社と提携しました。最終的には第三国の旅行者が第三国へ行く手配まで手がけたいと考えています。
-日本の旅行会社と連携する可能性もありますか。
山下 既に、日本の旅行会社が知見のない地域の手配を当社に依頼していただいたケースもあります。最も重視しているのは、迅速かつ正確な対応です。高単価な旅行手配を提供する以上、お客様からの信頼が何よりも重要です。当社では時差に関わらず、お問い合わせから1~2日以内に旅程表を作成するのを標準とし、それ以降もシームレスなレスポンスを実現できるパートナーとの協業を進めていきたいと考えています。
-今後の目標についてお聞かせください。
山下 コロナ禍を越えて、丸一年間事業をやり切ったのは昨年が初めてです。それを踏まえて現在、3~5年後の目標を策定している段階です。将来的にゴールの在り方は様々で、現段階で想定できるものを越えた展開もあります。今は事業の成長に集中し、グローバル展開を本丸として進めていきます。
-最後に、観光産業で働く読者へのメッセージをお願いします。
山下 このサービスを立ち上げたのは、現地の旅行会社と共に素晴らしい旅行体験を提供するため。そのためにテクノロジーを活用しています。旅行業界全体がテクノロジーの進化によって変革期を迎えており、目指す方向性は一致する部分も多いのではないでしょうか。日本のインバウンド市場は今後の成長が期待される分野です。ぜひ協力しながら、より良い旅行体験を提供していきたいと考えています。