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エジプト / バハレイヤオアシス、視察レポート

  • 2024年11月3日
  • 出典:OTOA
2024年9月17日、日本外務省の海外安全情報(危険情報)により、一部のオアシス方面の危険度がカイロ同様、レベル1に下がりました。その中には、バハレイヤオアシスも含まれています。
これを受け、エジプトにおいて日本人マーケットに携わる旅行関連業者からなる「エジプト日本旅行業連盟」(JTUE: Japanese Travel Union of Egypt)では、2024年10月19日(土)~20日(日)にかけ、バハレイヤオアシスの視察を行いました。
以下に、その様子をご報告いたします。

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カイロからバハレイヤのバウィーティ村まで約400km、車で約4時間30分かかります。
今回は新しく舗装されたセッタオクトーバーからバハレイヤに続く道を通りましたが、一部を除き、概ねほとんどが舗装され新しくなっていました。
1日目はババレイヤで昼食後、黒砂漠、クリスタルマウンテン、白砂漠へ。
2日目はバハレイヤの遺跡の視察を行いました。
バハレイヤへの観光には、予めエジプト政府からの許可取得が義務付けられています。
その手続きに時間がかかるため、1ヵ月前までにお客様のパスポートのカラーコピーを添えて申請する必要があることをご承知おきください。



■ 10月19日(土)
◎ 07:30 --- カイロ発
カイロから観光警察の護衛車がついてきます。また、車内に観光警察が同乗する場合もあります。
カイロ~バハレイヤ間には検問が2ヵ所あります。
途中、道路の両側には砂漠が広がります。砂漠の中に木の化石がある場所もありました。

写真左: セッタオクトーバーからバハレイヤへの道 / 写真右: ギザの最初の検問
 

写真左: 道中、両脇に広がる砂漠 / 写真右: 砂漠の中にある木の化石
 

◎ 09:45 --- ドライブイン
ガソリンスタンドに併設されたドライブインで休憩。
中では、温かいお飲み物、ジュース、お菓子類など販売。トイレ休憩も兼ねて約20分。
ドライブインは、バハレイヤまでの区間に2ヵ所あります。

写真左: ガソリンスタンド併設のドライブイン
写真右: ドライブイン内で売られているジュース類と休憩所
 

◎ 11:10 --- バハレイヤの中心、バウィーティ村到着
◎ 11:20 --- 宿泊ホテル着
宿泊予定のインターナショナルホットスプリングホテルに荷物を置いて、トイレ休憩。
今回は許可の関係上、カイロから四輪駆動車でバハレイヤへ行き、同じ車で砂漠のサファリを行いました。

写真左: バハレイヤのバウィーティ村入口 / 写真右: インターナショナルホットスプリングホテル
 

◎ 11:45 --- 四輪駆動車でバウィーティ村から砂漠ツアーへ出発
写真左: 今回使用した四輪駆動車 / 写真右: バウィーティ村の農地
 

◎ 12:15 --- 黒砂漠入口着
バウィーティ村を抜けると、きれいに舗装された砂漠道路があり、
黒砂漠 → クリスタルマウンテン → 白砂漠の順に道が続きます。
この道路はその後、ファラフラ、ダクラ、ハルガのオアシス群を結んでいます。

写真左: オアシス群を結ぶ舗装された道 / 写真右: 黒砂漠入口
 

バウィーティ村を出て約30分すると表面が黒い石で覆われた砂漠が広がります。
太古に火山噴火で玄武岩などが形成され、その後の風化で現在の黒砂漠の姿になっていったようです。
頂上付近に柱状節理が見られるマルソースマウンテンを見学し、黒砂漠の中を四輪駆動車で走ります。
12:40 黒砂漠からオアシスのヘイズ村へ

写真左: 黒砂漠の中を四輪駆動車で移動 / 写真右: 有名なマルソースマウンテン
 

写真左: 砂漠の上に広がる小さな玄武岩などの岩石
写真右: 黒い石の大きさは色々。このような小さいものが多い
 

◎ 12:50 --- ヘイズ村着
バハレイヤオアシスのヘイズ村では、冷泉が湧き出ています。
レストハウスの中に冷泉が流れており、その中に足をつけることができます。
この水は鉄分を多く含んでいるため、水路の両脇は鉄が錆びた色をしています。

写真左: 勢いよく湧き出す冷泉 / 写真右: レストハウスの外を流れる冷泉
 

ここでカイロから持ってきた軽食を食べ、飲み物を頼みました。紅茶、コーヒー、ジュースなどがあります。トイレはさほど綺麗ではありませんが、これ以降の砂漠観光で、トイレはありません。
13:30 ヘイズ村出発

写真左: お座敷の形式のテーブルが並びます
写真右: レストハウスの中で流れる冷泉に足をつけることが可能
 

◎ 14:20 --- クリスタルマウンテン着
入口付近にこれから行く白砂漠国立公園の地図が掲示されています。
一般にクリスタルマウンテンと呼ばれていますが、実際は水晶(クリスタル)ではなく、方解石の結晶(クリスタル)です。方解石は水晶よりかなり柔らかい石ですが、きれいなものは透明なので勘違いした人が名前を付けたのでしょう。
表面が風化しているため、遠くからは、一見普通の岩に見えますが、近くに行くと石がクリスタルのように光っています。

写真左: クリスタルマウンテン入口 / 写真右: 白砂漠国立公園の地図
 

写真左: クリスタルマウンテンにあるアーチ / 写真右: この辺り一帯に方解石の岩脈が露出している
 

写真左: 風化してクラゲのように見えます / 写真右: 近くで見るとクリスタルのように見えます
 

14:45 クリスタルマウンテン出発
途中、舗装道を通り、再度砂漠の中を走る。オフロードではかなりの揺れがある。

◎ 15:05 --- アカバト山でフォトストップ
このあたりには、いくつもの大きな岩山が砂漠の中に点在している。
ここから一気に下ってファラフラ窪地に入り、白砂漠へ。

◎ 15:45 --- アカバト山を抜けて、ワーディヘンネスへ
ここではとても綺麗な砂紋を見ることができました。

写真左: アカバト山 / 写真右: アカバト山を抜けて綺麗な砂紋があるワーディヘンネス
 

◎ 16:15 --- エル・サンタの木でフォトストップ
石灰岩の上に1本根強く生えているのは、アカシアの木。
良い匂いのする小さなまるい黄色い花が咲いていました。

写真左: エル・サンタの木 / 写真右: 木の中でブンブンと音を立てて大きな蜂が沢山いました
 

◎ 16:45 --- 白砂漠
白砂漠の手前まではギザ県ですが、白砂漠以降はファラフラ県になります。
2002年エジプト初の国立公園に指定。白砂漠は、地表に石灰岩が露出して白い大地が広がっています。
また、浸食によって色々な形になった岩が見られます。中でも観光客に人気なのがマッシュルーム&ピジョン。この上に昇る人がいるようで、保護のためロープで囲われていました。
16:50 白砂漠発

写真左: マッシュルームとピジョン / 写真右: 一面の白い世界に色んな奇岩
 

写真左: ウサギ / 写真右: キツネの家
 

◎ 17:05 --- ホテル視察
シャハラザードホテルは白砂漠のはずれにあるテントタイプのホテル。
** ホテル視察については後述。

◎ 17:45 --- シャハラザードホテル出発
帰りは舗装道路を一直線でバウィーティ村へ。所用時間約2時間。

写真左: シャハラザードホテル入口 / 写真右: 砂漠の中に点在するテントタイプの宿泊棟
 

■ 10月20日(日)
◎ 07:08 --- 宿泊ホテル、ホットスプリングの裏にあるイングリッシュマウンテンでご来光を見る
第一次世界大戦時にイギリス軍が見張り台として使用した場所だが、頂上からバウィーティ村全体が見える。
09:05 宿泊ホテル発

写真左: イングリッシュマウンテンからのご来光
写真右: イングリッシュマウンテンから見たバウーティ村
 

◎ 09:15 --- 黄金のミイラ博物館着
開館時間: 毎日 08:30~16:00(入場券売り場は、15:30まで)
ここでバウィーティ村の観光地すべてを網羅する入場券購入。大人 LE100.-
** 11月から値上げを予定。

写真左: 博物館入口の看板 / 写真右: 博物館外観
 

この博物館では、グレコローマン時代にこの土地で作ったワイン、オリーブオイル、また、鉄鉱石などの貿易で富を得たと考えられる有力者夫婦や子供のミイラなど計9体が展示されている。

写真左: 男女、子供など9体のミイラ / 写真右: いくつかのミイラのマスクには金箔が貼られている
 

◎ 09:30 --- 商人のお墓
開館時間: 毎日 08:30~16:00
第26王朝有力な富豪商人バンネティウ(息子)とゼッドアムンイフアンク(父)のお墓。
中は綺麗な色で壁画が描かれている。

写真左: 第26王朝の時代、有力な商人バンネティウのお墓
写真右: 地下墳墓の為、螺旋階段を降ります
 

息子のバンネティウのお墓の方が壁画が良く残っている。

写真左: 保存状態の良い壁画 / 写真右: 死者の書の一部が描かれている
 

写真左: ゼッドアムンイフアンクのお墓 / 写真右: 残念ながら壁画の一部が破壊されている
 

◎ 09:30 --- アインムフテラ神殿着
開館時間: 毎日 08:30~16:00
第26王朝アマシス2世の頃、この辺りがバハレイヤの中心地だった。
神殿は、かなり崩れたようで一部の壁画のみ残っている。
アインムフテラ神殿の敷地からは、バハレイヤが砂漠の中の窪地で周囲を崖に囲まれているのがわかります。

写真左: 現在は村はずれにあるアインムフテラ神殿の敷地
写真右: 壁の上部は残っておらず、保護の屋根がかけられている
 

写真左: アインムフテラ神殿の壁画 / 写真右: 神々の行列 その神々に供物を捧げるアマシス2世
 

◎ 11:15 --- アレキサンダー大王の神殿着
開館時間: 毎日 08:30~16:00
神殿内は撮影禁止。
エジプトで唯一のアレキサンダー大王が建造を命じた神殿と言われているが、風化が進み、昔の記録にある大王のレリーフやカルトゥーシュは現存していない。

写真左: ナツメヤシ畑の向こうには窪地を取り巻く崖が見える
写真右: アレキサンダー大王の神殿外観
 

12:35 ホテル視察後、カイロへ
17:00 カイロ着



■ ホテル視察
今回、宿泊ホテルも含め3つ星~2つ星のホテルを計3軒視察いたしました。
バハレイヤには4つ星以上のホテルはありません。
3つのホテルともバスルームに石鹸はありましたが、シャンプーやリンスはありませんでした。
しかし、それぞれにユニークな特徴があり、砂漠観光地での宿泊には適していると思います。

◎ インターナショナルホットスプリングホテル
今回宿泊したホテル。ドイツ人と日本人のカップルがオーナー。
部屋数42室。そのうちエアコンが設置されているのは20部屋。バスタブあり。
中庭には多くの木々があり、朝にはいくつもの珍しい鳥が鳴いていました。
部屋のドアには、蚊よけの網戸のドアがあったりと、きめ細かいサービスを提供。
ホテルの裏にはイングリッシュマウンテンがあり、敷地からその丘の頂上に登れます。
頂上からは、バウィーティ村全体が見渡せます。
イングリッシュマウンテンの名前の由来は、第一次世界大戦時にイギリス軍が見張り台として使用したため、とのことです。

写真左: ホテルの入口 / 写真右: 入口のドア。黒い模様は一つ一つ小さな釘でデザインされている
  

写真左: レセプション / 写真右: ホテル内で湧いている鉱泉。鉄分を豊富に含む。水着着用のこと
 

写真左: ツインの客室 / 写真右: 客室内の冷蔵庫、ソファー
 

写真左: バスルーム / 写真右: ホテル裏にあるイングリッシュマウンテンからのご来光
 

写真左: ピーターズバー / 写真右: ピーターズバーカウンター
 

写真左: レストラン / 写真右: 夕食メインディッシュ、その他スープ、前菜など
 

◎ シャハラザードキャンプ
白砂漠から車で約15分の砂漠にメインの建物と宿泊用のテントが20張あります。
テントといっても下にはコンクリートの基盤が打ってあり、その上に大型のテントが半恒久的に設営済みです。テント内にはベッドはもちろん、トイレ、シャワー、クーラーもしくはポータブルクーラーが完備されています。

写真左: ホテル正面 / 写真右: 砂漠に点在するテントタイプの客室
 

写真左: レストラン / 写真右: 客室用テントの入口
 

写真左: 客室用テントの内部 / 写真右: 客室用テント内にあるトイレ
 

◎ アハマッドサファリキャンプ&ホテル
ホテルには緑が多く、ナツメヤシの実がたくさんできていました。
足に飾り羽があるニワトリや変わった地元の鳥などを飼育しており、子供遊具もあって家族向け。
バハレイヤの昔の民家がホテル内に残されており、家の造りなどを見ることができます。

写真左: ホテル入口 / 写真右: ホテル正面と庭
 

写真左: 客室が並んでいます / 写真右: ツイン客室。クーラー、テレビ、冷蔵後あり
 

写真左: バスルーム内はトイレの脇にシャワー室 / 写真右: ホテル内にある昔の民家。内部の見学が可能
 

写真左: レストラン。ベドウィンタイプの座席のエリア / 写真右: テーブル席のエリア
 
情報提供:エジプト日本旅行業連盟 (JTUE)、日本海外ツアーオペレーター協会