ホンダジェットを活用したガストロノミーツアーが本格販売、Japanticketが考える高付加価値旅行とは

-今年6月に、第一弾として広島/山口のツアーで本格販売を開始しました。

宮崎 台湾・台南の会員制コミュニティを通じて、広島と山口を巡る「スターシェフと蔵元が奏でる響宴 酒蔵ガストロノミーツアー」を4名様でご予約いただき、2024年7月12日〜7月13日に催行しました。価格は1泊2日1人158万円に設定しました。

 滞在先の大阪のホテルからハイヤーで神戸空港内のホンダジェットの真横まで送迎。神戸空港から広島空港までホンダジェットで移動しました。到着後は、再びハイヤーで目的地まで送り届けました。

 ツアーでは、大阪から「La Cime」の高田シェフを呼び、「獺祭」の蔵元旭酒造によるプライベート・ペアリング体験などを提供。料理には山口県産のウニやノドクロ、鹿児島県産のオーガニック鰻、阿蘇の赤牛などの高級食材を使用し、高田シェフが参加者ためだけに特別な料理を振る舞いました。

 宿泊は今年「世界で最も美しい美術館」に選出された、アート・リゾート「Simose Art Garden Villa」内にあるホテルを用意しました。

 ツアーは誕生日のプレゼントという意味合いもあったため、ツアー中だけでなく、その前後でもJapanticketの方で特別なアレンジも行いました。

 参加者の満足度は非常に高く、次のツアーへの参加も検討するとの声もいただきました。また、その場で獺祭を40本購入するなど、現地消費にも大きく貢献していただきました。

第一弾のツアーの様子
-第2弾についてはいかがでしょうか。

宮崎 今冬、札幌の丘珠空港を活用した札幌/ニセコのツアーになる予定です。

 Japanticketは昨年11月に札幌市と丘珠空港におけるビジネスジェットの利用促進に関する連携協定を締結しました。ビジネスジェットを利用したい海外の富裕層向けに、食、自然など地域の観光資源を組み合わせた高付加価値ツアーの開発を目指すものです。

 将来的には、札幌を中心に北海道を周遊するツアーを造成し、北海道全体を盛り上げていきたいと考えています。

 ハイヤーの横付けサービスなど、空港の制限内区域の活用では、道内7空港を運営する北海道エアポートとも連携していく予定です。

-高付加価値ツアーにおいて、コンテンツ以外に注力している点はあるでしょうか。

宮崎 シームレスな移動については触れましたが、シームレスなホスピタリティにも力を入れています。ツアーを裏側で支える機能として、顧客情報をワンチームにまとめる仕組みを構築しています。

 事業者がそれぞれ分断されているので、情報も分断されがちですが、それをシームレスに繋げていく。たとえば、ホンダジェットの到着が15分遅れるようであれば、それを引き継ぐハイヤーの事業者にタイムリーに伝え、レストランへも到着時間を事前に伝える、参加者のアレルギー情報なども共有していく、などです。

 また、参加者のリアルタイムのリクエストにも応えるコンシェルジュ機能も提供しています。今回の台湾からのお客様とはLINEで繋がっていました。今後、参加者の国に合わせたコミュニケーションアプリで情報提供を行なっていきます。

田中 日本のサービスはレベルが高い。情報さえあれば、適切に対応いただけると思います。その部分をデジタルでサポートできれば、参加者も事業者もストレスがなくなると思っています。

宮崎 また、取得した顧客情報は、そのお客様がリピートした時にも活用できます。お客様にとっても、より満足度が高まるのではないでしょうか。

次ページ>>今後の展望は?