夏休みの宿泊旅行動向 国内減少も海外微増、遠方への長期旅行意向がやや回復
JTBが各種経済動向や運輸・観光関連データ、同社グループが実施したアンケート調査をもとに「夏休み(2024年7月15日~8月31日)に1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向見通しをまとめた。それによると、夏休みの総旅行者数、及び総旅行消費額の推計は、それぞれ6975万人(対前年95.9%)と3兆2743億円(対前年96.8%)で微減した。
そのうち国内旅行は6800万人(対前年95.8%)、平均費用4万2000円(対前年100.0%)で消費額は2兆8560億円(対前年95.8%)。コロナの収束により高まった旅行への意欲がある程度落ち着いたと見られるとともに、物価高で価格は上昇しているものの、日数の短期化や、旅行先の変更などの工夫もあり単価は昨年並みの結果に。また、目的地は居住地域内、居住地域の隣接県へ分散する傾向にあり、前年と比較すると各地域から「関東」「近畿」への旅行が増加し、子供連れの旅行も回復傾向となった。
海外旅行は175万人(対前年101.2%)、平均費用23万9000円(対前年103.5%)で消費額は4183億円(対前年104.7%)。円安・物価高に加え、旅行の長期・長距離化傾向を背景に単価は昨年を上回った。アジアを中心とした近隣への短期旅行は継続して人気が高いものの、今年は欧州など遠方へ長期に旅行する意向がやや回復するほか、円安の影響が少ない地域を選ぶ傾向にあるという。
実施したアンケートでは、旅行に行かない理由として最も多かったのは「夏休み期間は混雑するから(30.4%)」、以降「家計に余裕がないので(28.2%)」、「家でのんびりしたいので(27.2%)」と続いた。