震度5強に襲われた金沢にて「金沢彩の庭ホテル」を運営される髙田恒平氏に今の金沢の状況及び震災後の取組、観光産業に望まれること等々をお聞きしました。
※このインタビューをさせて頂いた直後に政府による「北陸応援割」の実施が発表されました。

髙田恒平氏（以下敬称略）　幸いにも金沢エリアにおいては、一部の地域を除いて、被害状況は比較的軽度かと思います。

　観光地等についても休館・休園といった施設はあるものの、概ね普段通りに街中を散策いただけます。地震に見舞われた皆様へ継続した支援を行い、助け合いの輪を途切れさせないよう、金沢在住の私としては経済活動を止めないことが大切だと思っています。

　発災当初は私も一個人として被災地の方々を思い何事にも自粛ムードが大変強かったと思います。しかしながら徐々に日が経つにつれて「食べて応援」「泊まって応援」といった声が多く聞かれるようになり、観光業であるないに関わらず積極的に飲食店や宿泊施設の利用をしようという地元の方々の機運が高まっています。

　とはいえ現地に住む私共だけでは消費行動に限界を感じることもあり観光客の方々には是非ともお越しいただきたいというのが正直な気持ちです。今現在は復興に携わる方々やボランティア活動のために石川県を訪れ、金沢を拠点に被災地へ入られている方も多くいらっしゃいます。そういった皆様をサポートすることも復興への手助けの一つになると考え、金沢彩の庭ホテルでは地震発生当初から今日まで変わらず営業を続けて参りました。

　私共地元の人々が考えるこういった思いを是非ご理解いただき、多くの方々に金沢を訪れていただければ幸いです。

髙田　現段階では金沢での観光に大きな支障はないと私共でも考えておりますが、場合によっては余震などに遭遇する可能性も否定できません。各旅行会社様にはその点をしっかりとご留意いただき、まずはすぐにお客様の安全確認が取れる体制を築いておいていただければと思います。

　またその際は現地も混乱することが予想されますので観光施設や宿泊施設・飲食店など事業者側への手続きや連絡等についても何卒ご配慮を賜れますようお願いできればと存じます。

髙田　地震発生当初に施設内の点検やメンテナンスを行うため一時的に休業されている施設さんはございました。

　2次避難先としての受け入れや設備の修理等で利用が限定的となるお宿さんもあると耳にしておりますが、ホテル内併設のレストランや飲食店を含めてほとんどは通常営業をされている状況と聞いております。

　体感値として9割以上は普段通り営業されていると推察いたしますが、やはり宴会の自粛等でのキャンセルや観光客の方の利用激減による稼働状況の悪化はいずれの施設からも声が上がっている状況です。