英国、日本市場のリカバリー見通しは?サステナブルツーリズムも取り組み強化
サステナビリティにも注力、鉄道などアピール
また、それと並行して特に重要になるのが世界的に大きな潮流となっているサステナブルツーリズム。需要の地方分散などに力を入れることでオーバーツーリズムの回避をめざすほか、鉄道旅行など環境への負荷の低い旅行の需要も喚起する。
例えばロンドンとエディンバラの間では日立製作所製の車両を導入した新たな高速鉄道Lumoが2021年に誕生。Lumoは鉄道版LCCと評される会社で「エコフレンドリーな旅行に革命を起こす」ことを宣言している。
加えて、デ・ボワ氏は、英国全体で31軒のレストランがサステナビリティへの取り組みをミシュランが評価する「ミシュラングリーンスター」を獲得していることや、また英国初のゼロカーボン宿泊施設となったコーンウォールのThe Emeraldをはじめエコ&ウェルネスリトリートが充実していることもアピールした。
日本での活動方針は
日本市場での活動では、旅行業界を通したマーケティングに力を注いでいく方針。1月下旬に英国で開催予定の商談会にも7名が参加予定で、その後の視察では湖水地方のほかストークオントレント、オックスフォードシャー、コッツウォルズなどを訪問。
また、国内でもセミナー/ウェビナーやブリティッシュ・カウンシルや大使館などとの提携も積極的に展開する。このほか「See Thing Differently」では、ロンドン以外への送客を強化。メディア露出にも取り組んでいく。
さらに、2025年に開催予定の大阪・関西万博にも期待。自身も準備組織の一員を務めるデ・ボワ氏は「非常に楽しみにしている」とコメントし、パビリオンの展示を通した旅行需要の喚起に自信を示した。
なお、日英間の航空アクセスではブリティッシュ・エアウェイズ(BA)による関空直行便が再開されていない状況だが、デ・ボワ氏は「万博によって関心が高まることは間違いない」として進展に期待。このほか、12月にマンチェスターから30名超の規模で来日した経済ミッション団も大阪・関西万博を契機とした日本との関係強化と日本からマンチェスターへの直行便実現に意欲を示していた。