専業主婦から客室清掃へ12年、外国人スタッフ含めチームをまとめる牧仁子さん

  • 2023年10月2日
-話は変わりますが今、外国人のスタッフも受け入れているようですね。

 外国人の新人スタッフは、インドネシア、カンボジアの子達です。日本語もすごくできるし、やる気もあるし、みんな、朗らかで笑顔で仕事してますよ。本当にみんな、可愛いんですよ。特にインドネシアの子達は、笑いながら楽しそうに仕事していますよ。そういう所は、見習わなきゃと思いました。そういえば、この間、英語しかしゃべられないお客様の通訳をインドネシアの子がやってくれて、それで非常に助かりました。

 今では外国人のスタッフの受け入れ方は分かっていますけど、数年前に初めて受け入れた時は本当に大変でした。近くの日本語学校の学生さんが一気に10人位バーっときて。私達もどうしたらいいか分からず。もう泣きそうになりましたよ。あの時は本当に大変でした。

-牧さんはリーダー的な立場であるので、スタッフに教えることも多いかと思います。教えるのは得意ですか?

 私、教えるの苦手なんですよ。今はやる人がいないのでやってますけど、「ここをパッとして、ピッとする」とか擬音で説明しちゃって。自分で言ってて、これ伝わってるかなって思いますもん。ただ人に教えることで学ぶことも多いんですけど…苦手なんです。朝礼で人前で話すのも本当は苦手なんです。一人で黙々と静かに清掃しているのが一番好きですね。

-客室清掃の喜びは?

 メモ用紙やアンケート用紙にお褒めの言葉をもらうことですね。「お部屋汚くしたのに綺麗にしてくれてありがとう」とか「挨拶が気持ちよかった」とか。自分のやっていることが少しでも宿泊している人のプラス要素になってくれているのは嬉しいことですよね。

-今後の展望は?

 今、ウチのチームはすごくいいかと思います。みんな、遠慮して何も言わないんじゃなくて、言いたいことを言いながらも、まとまっている感じですし。あれ?と言いつつ私がそう思っているだけで、実は私に言いたいことがあるかもしれないんですけど(笑)。私は定年間近ですし、次の人達にバトンを渡して、はけていきます…(笑)。他の社員の子達は私がいなくてもバリバリできる子達なので、大丈夫かと思うんです。これは私が良かったとかじゃなくて、その前に受け継いできた社員教育の仕方がよかったんだと思います。だからそのまま伝えて、たぶんフェードアウトしていきますよ。と言いつつ、子供の見返りなんて期待していたら駄目なので、老後も自分の力で働きたいですね。

-ありがとうございました。



取材協力/グローバルゲイツ
撮影/大森大祐 取材・文/浦澤修