【星野リゾート 関西プレス発表会2023】「星のや奈良監獄」はじめ開業情報満載!アフターコロナの観光と関西のこれから
旧奈良監獄は「星のや」ブランドに決定!26年春に開業予定
ここで星野リゾート代表の星野佳路氏が登壇。国の重要文化財である旧奈良監獄について星野リゾートがミュージアム運営とホテル事業を行い、ホテル事業については「星のや奈良監獄」を2026年春に開業予定であると発表した。
ホテル棟は4棟48室の構成。元は監獄であったことを感じながら、快適に過ごせるユニークなラグジュアリーホテルになるという。
関西・大阪の観光の今後とステークホルダーツーリズムの重要性
星野氏は、日本全体では、2023年の1月〜7月の訪日外国人数が1303万人と2019年比で66.4%まで回復しているなか、インバウンド需要が増加する関西の観光の現状と今後について触れた。2023年1月〜5月の訪問外国人の国別構成比をみると、京都はアジア圏39%・欧米40%であるのに対し、大阪はアジア圏70%・欧米16%とアジア圏に偏っている(数字は日本政府観光局よりの引用)。星野氏は、「世界の旅行情報は欧米から発信されていてアジアはそれを見ている」ことから、大阪は「笑いとおもてなし」という大阪カルチャーの魅力をもっと欧米に発信する必要があると語った。
また、コロナ禍で「空気がきれいになったニューヨーク」「海がきれいになったオアフ島のハナウマ湾」「ヒマラヤ山脈が見えるようになったインド」などの例を挙げ、コロナにより観光が住民や環境に与えていた悪影響に気づくことになったと述べた。コロナ禍後は、2019年をモデルにして観光客を増やすのではなく、観光事業者、旅行者、地域コミュニティ(生活・経済・環境)という観光についてのステークホルダーそれぞれがフェアにリターンを得る「ステークホルダーツーリズム」を目指す重要性を語った。
一例として、観光の際には移動によって排出されるCO2が多く、移動を減らして同じ場所で宿泊数を伸ばすという意図から、星野リゾートの「西表島ホテル」では宿泊を連泊予定に限定している。連泊になれば、環境負荷も減るし、簡易清掃にするなどで人的リソースの負担も減るという。
大阪の観光の今後については「USJという強いコンテンツがあり、万博、IRと3連続の魅力となるが、3つとも市内ではなく少し離れている。これらを訪れた人にいかに市内で大阪らしさを感じ、文化を楽しんで、お金を落としてもらうかが課題となる。この春にOMO7大阪とUSJとの協業アクティビティをスタートさせたが、これはまさにそうした課題意識からで、USJで遊んだ人が新世界も楽しみ、地域にいかに利益還元するかというステークホルダーツーリズムだと思う」と語った。