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ブランドUSA 日本市場への積極姿勢崩さず、日本独自のプロモーション開始も

  • 2023年7月20日

 米国全州の横断的なプロモーションを行う「ブランドUSA」の社長兼最高経営責任者(CEO)であるクリストファー・トンプソン氏がこのほど、日本の旅行業界との商談を実施する「ジャパン・セールスミッション」にあわせ来日。記者会見では今後の誘客施策や日本市場への期待感などについて語った。

 コロナ前を振り返ると、日本は米国にとって全体4位、長距離市場ではイギリスに次いで第2位の市場となっていたものの、現在は円安や燃料費の高騰などでアウトバウンドの回復は遅れを見せている。米国内の調査会社の予測では全体として観光市場が2019年の水準に戻るのは2025年という見立てで、トンプソン氏自身も「アジア諸国の回復は緩やか」と認めつつも、「2025年よりも早い段階で2019年水準に戻していきたい。」と述べ、日本市場については「これまで同様に重要市場と位置づけ、手を緩めることは決してない。」と意向を示した。そのうえで、日本の旅行者に対しては「米国独自のポップカルチャーや、バラエティに富んだ旅行体験を楽しんでいただきたい。」と述べ、「あらゆる年齢層、どういったバックグラウンドの方にも予想以上のものをお届けできるのが強み」と強調した。

 続けて、各地でオーバーツーリズムなどの問題が取り上げられる中、トンプソン氏は、積極的な誘致活動を推し進めつつも、「いかに賢く、適切な時期に、適切な人を呼び込むかが重要」だという。そのためには各自治体との信頼関係が重要としており、各地域にどういった旅行者を誘い込むかなどの取り組みは各地域レベルで検討を進め、ブランドUSAはあくまでもストーリーテラーとしてその取り組みを広げていきたい考え。

旅行会社対象に米国への販促プランを募集
グランプリ獲得企業に1000万円

 ブランドUSAは日本独自のプロモーションとして「ゴールド・ラッシュ:ブランドUSAマーケティング・チャレンジ」を開始する。これは日本の旅行会社に対し、米国への旅行商品を対象とした販促プランを募集するもので、グランプリ獲得企業にはその販促プランの実装資金として1000万円が贈呈される。

 審査基準は「創造性」「実現可能性と持続可能性」「期待されるROI(投資利益率)」「ブランドUSAのマーケティング目標との親和性」の4つで、応募期間は8月31日まで。その後、9月15日に最終選考通過3社が発表され、9月27日の最終プレゼンテーションを経て優勝者が決定される。

 また、大学や専門学校で観光やホスピタリティを学ぶ学生を対象とした部門も設けており、優勝者には10万円が贈呈される。

 会見の中で、日本の旅行会社に対する期待感について問われたトンプソン氏は「円安など、我々のみでは対処しきれない問題については忍耐強く待つしかないが、今はいつでも対応ができるように下地を作っていく時期だと捉えていただき、回復が見えた時にいつでもパッケージが組めるような体制を作っていただきたい。」と述べた。