ハミルトン島&ヘイマン島、豪州が誇るアイランドリゾートで休日を満喫

  • 2023年6月13日

奇跡の造形、ハートリーフ

 ハミルトン島のアクティビティも多岐にわたるが、代名詞とも言えるのがハートリーフ。島から北北東に70kmほどの距離にある天然のサンゴ礁で、その名の通りの整ったハートの形で知られる。水上飛行機やヘリで上空から眺めることもできるが、今回は200mほどの距離に浮かぶポンツーン「ハートアイランド」にヘリで降りシュノーケリングをする機会を得た。

世界遺産の海に浮かぶポンツーンに着陸

 上空からの光景、そして水中世界の美しさは画像と動画の通りで、一生モノの景色であることが即座に分かる。あまりの景色に頭の処理が追いつかずぼーっとしてしまうほど。

 そして重要なのは、そのポンツーンに行けるのはハミルトン島の宿泊者だけだという点。ハートリーフへの距離だけで言えば実はヘイマン島の方が近いが、ポンツーンへのアクセスはハミルトン島を拠点とするハミルトン・アイランド・エアのみが権利を保有。しかも1回6名、1日あたり2回しか運航されない(※場合により3回の可能性も)という希少性のため、ウィットサンデー諸島のみならずオーストラリアのなかでも真に特別な体験と言えるだろう。

 もちろんハミルトン島でのアクティビティはそれだけに限らない。滞在中には純白のロングビーチで知られるホワイトヘブンビーチを訪れてからハスルウッド島でシュノーケリングも体験。このほかでは隣のデント島でチャンピオンシップコースでゴルフを楽しめたり、島内にもボーリングやゴーカート、ミニゴルフなどに興じることもできる。

丘の上のバー「One Tree Hill」近くから眺める夕日も抜群の景観で、時間が近くなると多くの宿泊者が集まってきていた

ハミルトン島&ヘイマン島、比べてみると?

 最後に、同じウィットサンデー諸島内のリゾートアイランドであるヘイマン島とハミルトン島の違いや共通点、注意点について、大雑把にはなるがまとめたい。

ハートリーフと並びウィットサンデー諸島を代表する観光素材のホワイトヘブンビーチ

 まずアクティビティについてはハートリーフのポンツーンが最大の違いで、ホワイトヘブンビーチへのツアーやハートリーフの遊覧飛行などはヘイマン島からも利用可能。ビーチでの一般的なアクティビティもどちらでも提供されている。

 加えて、どちらも滞在を助けてくれる公式アプリがあり、特にハミルトン島は日本語化も完了。日本語対応を含めた日本人向けサービスは比べるまでもないほどハミルトン島の圧勝と言える。

ハミルトン島アプリ スクリーンショット

 また、いずれも国内だけでなく海外からのMICE需要にも強く、滞在中もビジネスイベントの参加者や会場を見ることができた。もう一つ両島で共通するのはいずれもオーストラリア国内でリゾート地としての地位を確立している点で、多くの客が「親に連れられて」「若い頃にはパートナーと」「結婚してハネムーンで」「子ども連れの家族旅行で」と様々なライフステージで再訪しているとのこと。このためどちらの島内でも子連れ客は多く、それを避けたい場合はハミルトン島のクオリアかビーチクラブを選ぶことになる。

ビジネスイベントでの人気は高く、どちらのリゾートでも滞在中に参加者の姿や会場が見られた

 一方、共通の注意点としては、どちらも自然豊かな環境ゆえに島内には数多くの鳥やトカゲなどが暮らしている点。特に鳥はレストランやバルコニーで距離がかなり近くなる場面もあり、それらが苦手というお客様には提案を避けるか入念な説明が必要になりそうだ(インコを飼っていたこともある筆者は大満足)。

ハミルトン島では、個人的に初めてワライカワセミの姿を見て鳴き声も聞くことができた。鳥が好きな人にはたまらない時間となるはずだ

 そして視察で感じた一番の違いは両島の雰囲気で、キャパシティの差もあってハミルトン島はヘイマン島よりも人が多く賑やか。クオリアは門で隔てられた別世界だが、島全体で便利な施設やサービスも揃って「街」のような活気をあちこちで感じられた。一方ヘイマン島は人里離れたリゾートで、比較すれば不便もあるが逆に言えばその環境こそが特徴と言えそうだ。

ヘイマン島のウォーターステーション。両リゾートともにサステナビリティへの取り組みを進めており、滞在による環境負荷が低いことはこれからの旅行市場にとって重要なポイントとなっていくはず