サンフランシスコ観光協会 日本からの訪問客数は24年に19年超え予測、業界パートナーとのキャンペーン強化へ

 サンフランシスコ観光協会のプレジデント兼CEOジョー・ダレッサンドロ氏、エグゼクティブバイスプレジデント兼チームツーリズムオフィサーのフーバタス・フンケ氏、バイスプレジデントのロリ・リンカーン氏の3名はこのほど、4年ぶりに来日しメディアラウンドテーブルを開催。回復の兆しを見せるサンフランシスコの観光業界の現況について語った。

(左から)フンケ氏、ダレッサンドロ氏、リンカーン氏

 コロナ前の2019年、日本からサンフランシスコへの訪問客数は136,000人、支出額は2億6600万ドルを記録していたが、昨年は訪問客数22,000人、支出額5200万ドルにとどまった。

 冒頭、ダレッサンドロ氏は「日本含めたアジアは我々にとって非常に重要なマーケット。6月からZIPAIRが東京/サンフランシスコの運行を再開するなど、他にも直行便が充実していることは非常に喜ばしいことで、5月8日からの日本への入国制限解除を機に、より活発な往来が再開することを期待している。」と述べた。サンフランシスコ観光協会としての2023年2024年の訪問客数と支出額の予測は下記の通りで、2024年にはコロナ前を超える訪問客数を期待している。


 2024年訪問客数が2019年を超える予測をしていることに対して支出額が伸び悩む要因としては、支出額が高い傾向にある業務渡航者数が過去最高を記録した2019年に比べ今後はレジャー需要の割合が増えると予測しているため。ただし、観光協会としては支出額の指標を重要視しているようで、これはコロナ前から問題となってきたオーバーツーリズムの解消のためにも、訪問客数を増やすのではなく1回の滞在を長くすることにより観光客の分散を図りたい考えだ。そのためにも観光協会としては、最近サンフランシスコで人気を博している「プレシディオ」に見られるような屋外の体験を通してウェルネスを意識したコンテンツを売り出していくという。

 続いて日本でも問題となっている業界の人材不足の課題については、アメリカ国内では特にレストランでの人材不足が顕著なようで営業時間の短縮など対策に追われているという。人材不足の課題はホテルも例外ではなく、2019年サンフランシスコ内のホテル稼働率は過去最高の92%を記録したが、今年の稼働率予測は70%となっている。

 今後の日本市場へのプロモーションとして、まずはユナイテッド航空(UA)とOTA3社(トリップドットコム・エアトリ・スカイチケット)と共同でのキャンペーンが今月末から開始される見込みで、6月にはZIPAIRと直行便就航のタイミングでキャンペーンを実施する予定だ。ダレッサンドロ氏は「我々が直接消費者にメッセージを届けることは非常に難しい。そのためにも旅行会社などパートナーの存在は非常に重要だ。」と述べ、今後日本の旅行会社を含めた業界パートナーとのキャンペーンを強化していく考えだ。