沖縄の修学旅行復活へ、キーワードは「SDGs」と「探究学習」

移動手段を超えた学びの提供へ

 航空会社のプレゼンテーションでは日本航空(JL)とANAあきんどが登壇。JLは国内の修学旅行に適用する「学校研修割引運賃(SE運賃)」について説明した。SE運賃は5名以上の学生・生徒・児童および引率の教職員に適用可能で、価格は時期により異なるが、沖縄線では一般の運賃と比較して最大74%の割引率となる。一般予約より半年ほど早く予約を受け付ける点も特徴だ。

JLでは直行便と大きく変わらない価格で離島への経由運賃も設定し、新たな教育旅行の目的地の1つに推している

 修学旅行での羽田/那覇線の利用状況を学期別にみると、2019年では1学期が1割、2学期が8割弱、3学期が1割強と2学期の利用が中心で、1学期、3学期は比較的予約しやすい状況にある。JLでは2024年度のSE運賃について、4月、5月は片道約2000円、6月前半は約4000円、1月は約2100円の値下げをして届け出た。燃油や為替の関係でバス代や施設代などが上昇傾向にあるため、ピーク期を外して修学旅行を実施することで、費用を抑えてもらう考えだ。

 また、JLでは羽田/那覇線に最新のA350型機を一部導入している。軽量化やCO2排出量の削減を実現した機材を利用することで、航空機への搭乗を移動手段として捉えるだけでなく、生徒たちのSDGsの知識が深まる機会となることに期待しているという。

航空機ならではのメリットを説明

 ANAあきんどからは航空機を利用する修学旅行の利便性と安心・安全性が説明された。移動時間の短さや定時運航性に加え、航空機の機内には救急の医療器具が完備され、客室乗務員は救急医療訓練を受けている。身体の不自由な人への相談窓口もあり、不安を解消してから搭乗できることも安心できるポイントだ。また機内のマナーや搭乗までの流れが身につくこと、機内では引率者も生徒を管理しやすいこともメリットとして挙げられた。

 さらに機内では約3分に1回の頻度で空気の入れ替えがあり、病院の手術室でも使用するような空調設備によって濾過された空気が機内を循環することを説明。感染症対策の面でも安心して利用できることを強調した。

 また全日空(NH)では、修学旅行の事前学習や探究学習の補助教材、特別授業としての目的で、オンラインプログラムを展開している。教室に客室乗務員を招き、現地とオンラインでつないで歴史や文化を学ぶなど、内容は要望に沿ってカスタマイズできる。

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