itt TOKYO2024
itt TOKYO2024

2023年、観光業界は「再生」するのか、人材不足などの課題も-年頭所感(2)(旅行会社)

  • 2023年1月5日

 新型コロナの流行が続くなか、昨年10月11日には入国者数の上限が撤廃され、訪日個人旅行も解禁された。これにより海外旅行にも追い風が吹き、年末年始の海外旅行者も増加。JTBの旅行動向見通し(2022年12月23日~2023年1月3日)では前年比6.5倍の15万人を予測している。国内旅行も全国旅行支援により回復傾向にあり、業界にようやく明るい兆しが見えてきた。

 そうしたなかで迎えた2023年。新型コロナの第8派とインフルエンザの同時流行への懸念はあるものの、引き続き旅行需要の回復に期待がかかる1年となりそうだ。そんななか、海外旅行の動きの鈍さ、観光業界の人手不足などの課題もある。観光業界の団体や大手旅行会社、OTA、航空会社、GDSなどのトップたちは今年をどう見ているのか。毎年恒例の年頭所感では、6回にわたって各分野のトップの年頭所感について、全文掲載する。今回の第2弾では旅行会社のトップのものを紹介する。

JTB代表取締役社長執行役員 山北栄二郎氏

 新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2022年は夏季に新型コロナウイルス第7波の感染拡大が見られたものの、10月には大幅な水際対策の緩和が実施され、待ち望んでいた国境の全面的なオープンとなりました。同時期に全国旅行支援も開始し、欧米に後れを取っていた日本も、本格的な交流再開に向け一歩を踏み出しました。JTBグループは、この3年間厳しい環境にありながらも交流の再開を信じ、日本および世界のネットワークを守ってきました。交流を待ち望んでいたお客様が、国内外の訪問先で心豊かな体験をしていただけますよう、準備を整えております。

 私たちは今年の4月より、JTBグループ全体のリブランディングに着手し……続きを読む




エイチ・アイ・エス代表取締役社長 矢田素史氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2022年は、世界の変化を感じた1年でした。スポーツイベント分野では、北京冬季五輪(2月)にて、日本は史上最多のメダルを獲得し、サッカーのカタールW杯(11月~12月)では、日本代表が強豪のドイツとスペインに勝利し決勝トーナメントに進出しました。一方、経済社会分野では、2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻に世界は震撼し、世界経済にいまなお暗い影を落としています。そこに端を発した原油高、インフレ、円安など、社会から我々の生活まで、大きな影響がありました。また、新型コロナウイルス感染症の流行も3年目に入り、欧米を皮切りにウィズコロナの時代に移行しました。日本市……続きを読む




KNT-CTホールディングス代表取締役社長 米田昭正氏

 謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

 三年続いた新型コロナウィルスの感染拡大は当社グループにとっても創立以来の最大の試練となりました。いまだ終息に至ってはいませんが、ワクチン接種や経口薬の承認等により、ウィズコロナを前提とした経済活動の正常化が進展しています。一方、ウクライナ情勢による地政学的リスクの高まり等による燃料価格の高騰、急激な円安に伴う物価上昇の影響により、個人消費の回復は力強さを欠き、国内の経済は未だ不透明な厳しい状況が続いております。

 当社の旅行事業におきましても、海外旅行の復調はいまだ緩やかなものの、水際対策の緩和や円安により訪日旅行が本格的な回復の兆しを見せ、観光立国の復活に向けて……続きを読む




日本旅行代表取締役社長 小谷野悦光氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2022年を振り返りますと、新型コロナウイルス感染の波に応じて旅行需要が一進一退を続けるといった状況が依然と続きましたが、一方で世界に遅れをとることなく経済活動を正常化していこうという動きが加速していきました。特に夏場には国による「一律の行動制限は課さない」とした指針が示され、10月に「全国旅行支援」「水際対策緩和」が開始されたことは、旅行に対して逡巡していた消費者の背中を押してくれる、旅行需要回復に向かう大きな牽引役となりました。移動や交流を生業とする旅行業にとっては、大変心強いメッセージであり、この時から、消費者も私たち事業者も、自分自身でいま何が最適かを……続きを読む





阪急交通社代表取締役社長 酒井淳氏

 謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

 昨年は感染症の影響による厳しい事業環境が続きましたが、感染抑制と経済活動の両立のもとで実施された県民割、全国旅行支援等の旅行需要喚起策により、国内旅行においては回復が一段と進みました。海外旅行や訪日旅行では、昨年10月の水際対策の緩和以降回復傾向にはあるものの、完全回復にはまだまだ一朝一夕にはいかない状況が続いております。2023年はコロナ禍で積み重ねた経験をもとに、事業基盤を強固にする1年と考えています。

 国内旅行は、今後全国一律の行動制限発出の可能性は低く、高まる旅行需要を取り込み一気に飛躍するチャンスと捉え、高付加価値商品や新たな需要にお応えする商品の開……続きを読む




東武トップツアーズ代表取締役社長執行役員 百木田康二氏

 年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2022年は、日本でも新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限を緩和する動きが進み、地域割や全国旅行支援など観光需要喚起策によって各地域にコロナ前の賑わいが徐々に戻ってきた1年でした。こうしたなか当社は、幅広い世代に利用されているLINEアプリを利用した参加登録やサービスの提供により事務作業の省力化、効率化を図る等、デジタル技術の活用を含めたソリューションの提供を行い、地域の活性化による日本経済の発展と社会課題の解決を両立する持続可能な社会の創造に向けた取り組みを進めてまいりました。

 2023年は、全国旅行支援による国内旅行者数の増加、そして入国規……続きを読む




ジャルパック代表取締役社長 平井登氏

 謹んで新春のご挨拶を申し上げます。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症からの回復に向けて大きな期待を持ってスタートした1年でしたが、上半期においては依然として大きな影響を受ける等、引き続きコロナウイルスに翻弄された1年でした。そのような中でご利用いただきましたお客さま、ご支援いただきました皆さまへこの場を借りまして厚く御礼を申し上げます。

 一方で、世界各国でピークは過ぎ、往来を含めた対策の緩和も進んでおり、国内においても昨年10月からは全国旅行支援が実施される等、確実に回復への道を進んでいると実感できるようになってきました。この数年間のコロナ禍で大変厳しい状況が継続し、旅行業界は大きな痛手を負うこと……続きを読む




ANA X代表取締役社長 轟木一博氏

 新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 2022年は、円安や国際情勢などにより不安な日々が続いた一方、水際対策の大幅な緩和や全国旅行支援の開始等、着実に明るい変化が見られるようになってきました。

 昨年も、ANA XはANAグループの経済圏の中核を担う会社として、航空・旅行という人々のリアルな経済・社会活動を支える事業の経験を活かして、他方で「航空会社グループらしからぬ」果敢な挑戦を続けてまいりました。

 具体的には、ANAマイレージクラブアプリを、今後展開するさまざまなサービスを繋ぐゲート機能を果たすアプリへと大幅リニューアルしたことをはじめ、日常の移動でもマイルが貯まるANA Pocket……続きを読む