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若手のチャンス拡大に期待できるホテル業界へ-ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄総支配人 村尾茂樹氏

  • 2022年12月1日

ファミリー客を中心に戻り始めたリゾート需要
ユニークなプログラムでオフシーズンの取り込みを図る

-販売ターゲットごとの販路やプロモーションの使い分けについてはどのようにしていますか。

村尾 台湾や韓国はSNSやインターネット情報の重要性が高いので、ウェブメディアへの記事出稿などに取り組んでいます。また旅行会社経由の販売にも力を入れており、インバウンドの復活を見込んで海外担当のセールススタッフを1名採用したところです。

 お客様がどういう販路を経由してやって来るかは我々には決められません。ですから、なるべく広く網を張っておくことを重視しています。国内市場に関しては国内のハイアットメンバーからの送客も心強い点で、もちろんOTAや旅行会社とも幅広くお付き合いしています。

-最近は予約のタイミングが間際化していて読めないため、人員のやりくりに苦労するという話をよく聞きます。

村尾 そうですね。お客様としてもコロナ禍の影響で、前もって旅行の計画を立てづらいという事情はあると思います。リードタイムが短くなるなかで、少しでも早めにベースとなる部分を作っていく必要があり、その点は旅行会社さんの送客に期待しています。

-昨年の冬はテントサウナなどユニークなプログラムを実施しましたが、今年の冬はどのような取り組みをしていきますか。
テントサウナと海水プール

村尾 沖縄観光の課題は冬の観光と夜の観光です。昨年冬のテントサウナは好評を博し、今年も規模を拡大してテントサウナを開設します。海水を利用したプールを水風呂として利用できるのが特徴の1つですが、潜水禁止の水風呂と違いプールなので頭まで沈める点も好評です。水温が22度前後で水風呂ほど冷たくないのも海水プールならでは。タラソテラピーがあることでも証明されているように、海水はさまざまな良い効果を体に与えることが分かっており、新しいサウナ体験として楽しんでいただけます。

 比重が重い海水は、人が簡単に浮いていられます。先日、サウナから海水プールに移動し、頭を空にして何も考えずに水に浮いていました。夜だったので満天の星空も眺め、最高に気持ちが良い体験でした。宿泊客の皆さんにもぜひ体験していただきたいと考えています。夜の魅力的な体験としてもお勧めしたいですね。

-サウナ以外に新たな体験プログラムは予定していますか。

村尾 恩納村が進めているSDGs未来都市計画に連動してSDGs関係の取り組みも行っています。例えば電動自転車を使って、さまざまな体験ツアーを企画する試みです。沖縄では海への土砂流出が問題になっていますが、その対策として農閑期の畑にヒマワリなどの植物を植え、その花を蜜源とするはちみつを採取し収益を得ることで、持続可能な土砂流出防止策につなげるプロジェクトがあります。そこで、現場となる畑を電動自転車で訪れて見学する企画などを用意しています。また恩納村では最近イチゴ栽培が始まったので、イチゴ狩りもできないかと検討しているところです。

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