9月の旅行業の倒産は2ヵ月連続で発生なし、22年上半期は9件で前年同期比4割減-TSR調査
東京商工リサーチ(TSR)によると、9月の旅行業の倒産は2ヵ月連続で発生がなかった。2022年で倒産件数がゼロとなるのは1月、4月、8月に続く4回目。TSRでは10月11日から新型コロナの水際対策の緩和により1日あたりの入国者数の制限が解除され個人旅行が解禁となり訪日観光客の需要増が期待されるが、日本人旅行客の海外渡航制限は10月現在、120ヵ国を超える国で適用されており、海外渡航を専門に扱う旅行会社は依然として厳しい状況が続くとしている。
また、2022年度の上半期(4~9月)の旅行業の倒産は前年同期比43.7%減の9件で、過去20年で2019年の9件と並び、2020年の6件に次ぐ2番目に少ない水準となった。政府系金融機関などによる実質無利子・無担保融資や休業支援金、雇用調整助成金などの給付が倒産を抑制した。
負債総額は前年同期比51%減の11億6100億円で、負債総額1億円以上5億円未満の倒産が前年同期比75%減の1件と大幅減になったことが負債総額を押し下げた。
倒産は抑制したが、長期化するコロナ禍により新たな資金調達が困難な企業や業績の回復が遅れている企業での息切れ倒産も発生している。
TSRは今後の見通しを10月11日からの全国旅行支援の開始により国内旅行の需要回復に期待がかかる一方、海外旅行市場は渡航制限の継続などにより依然として先行きは不透明で、海外旅行を中心に扱う小・零細企業は厳しい経営が今後も続くとみられ、こうした事業者への支援策も求められるとしている。
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