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7月の宿泊業の倒産は10件、需要減少で9割がコロナ関連倒産-TSR調査

  • 2022年8月16日

 東京商工リサーチ(TSR)によると、7月の宿泊業の倒産は10件だった。4ヵ月連続で前年同月を上回り、2022年1月から7月の累計は51件(前年同期49件)と前年同期を上回るペースとなっている。

 負債総額は16億4700万円で2ヵ月連続で前年同月を上回った。原因別では販売不振が9件で長引くコロナ禍による宿泊需要の減少が影響している。形態別では10件すべてが破産で、北海道、東北、北陸、中部、近畿、中国、九州と幅広い地域で発生。新型コロナ関連倒産は9件で、支援を受けたものの業績回復が遅れ先行きの見通しが立たなくなったケースも散見している。

 福井県小浜市の松風は1989年に「料理旅館松月花松風」をオープン。2005年4月には「サンホテルやまね」の経営を譲り受け事業規模を拡大。しかし新型コロナの影響により2021年4月に料理旅館を無期限休業としホテルに経営資源を集中して立て直しを図ったが福井地裁に破産を申請した。負債総額は3億6400万円。なお、ホテルは保全管理人が事業譲渡で存続に向けた対応を進めている。

 北海道旭川市の不二苑は1994年に「旅館不二苑」を設立。ビジネスや長期滞在、スポーツ合宿などで利用されていた。しかし設備の老朽化や競合に利用者を奪われ2019年12月期の売上高は3270万円となっていた。新型コロナ拡大で利用者の減少に歯止めがかからず2022年3月末に事業継続を断念し旭川地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は1億900万円。

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