東京就航30周年、アシアナ航空の成長戦略とは-日韓関係改善に期待も

日韓路線を「国内線感覚」に
親会社変更で基盤安定、以遠路線も強化へ

-30周年を迎えた後、これからの御社の取り組みについてお聞かせください

 2019年は7月にウランバートルへ新規就航し、11月にはニューヨーク路線をデイリーからダブルデイリーに増便した。これらの路線は20年が正念場となるため、日本での販売比率を高めて行きたいと考えている。10月に就航したリスボンと12月に就航したメルボルンは冬スケジュール限定での運航となる。

 なかでも日本からの直行便がないリスボン路線は、「新しいディスティネーションに行ってみたい」と考えるお客様の関心が高いことが分かった。来期の運航に向けて、旅行会社が商品化しやすいように早い段階でスケジュールを案内し、観光局とも共同販促のイベントを実施したいと考えている。

-そのほか、販売を強化したいと考えている路線はありますか

 18年2月にビザ免除措置が取られたタシュケント、同年8月に新規就航したバルセロナ、同じく同年5月から日本からの直行便がなくなったパラオ。さらに、19年に日本で売れたベトナム・ダナンなどの路線。これらの路線は引き続き販売を強化していきたい。20年は特にタシュケント、アルマティ路線をそれぞれ増便する計画で、中央アジア方面への利便性は益々高まるだろう。

 サイパンやパラオへの旅行者は、日本へ帰国する前にソウルに立ち寄るケースが頻繁に見られる。特にソウルで買い物を楽しむ人が多い印象で、旅先で購入できなかったお土産を仁川空港で買う人もいる。

-機体の追加導入予定はありますか

 26年までにA350型機を最大30機、追加導入する。A321neo型機についても25年までに25機、追加導入する予定だ。これらの最新機種の積極的に導入することによって運航コストを削減し、路線の拡大、サービスの拡充を進める方針だ。

-19年は、クムホ・アシアナグループが貴社株を売却されました。概要と影響をお教えください

 HDC現代産業開発が当社を引き受けることが決まり、OZはまさにこれから新しく生まれ変わろうとしているところだ。同社は総合建設業、ハイアットソウルなどのホテル事業、HDC新羅免税店の免税店事業などをてがけており、さらに将来的にはMaaS事業の実現を見据えている。長距離移動に適した航空事業企業である弊社をモビリティーグループに入れることにより、MaaSの実現に一歩近づけるねらいがあると考えている。

 また、ホテル事業、免税店事業などで航空事業との相乗効果を引き出すことも期待でき、OZも韓国航空業界1位をめざしていける体制を整えられるようになる。現代グループを基とする企業である同社が弊社を引き受けることで財務的な安定性が確保でき、グローバル航空会社との競争にしっかりと対応していくことができるようになる。強固な資金力をベースに、航空機の追加導入を進めていきたい。

 最初の目に見える変化としてはロゴが変わる。ロゴを変えることでイメージを刷新し、新たなサービスを提供していく決意を表す。一方、OZとしてのポリシーやこれまで築いてきたネットワーク、お客様との信頼関係などが変わることはない。