ルフトハンザ・グループが探す「最適」-ブンケンブルク支社長に聞く

3社とANAで「最適な答え」「最適な形」を模索
NDC推進やブロックチェーン活用の今後は

-LX単体では成田と関空の2路線で、どのように旅客を取り込んでいく考えですか

ブンケンブルク氏 ブンケンブルク 昨年のLHの関空線の利用者数は、アウトバウンドが9%増、インバウンドが10%増と、それぞれ好調に伸びた。東京も需要は伸びており、成田と関空の2拠点でキャパシティを拡大できれば、関東と関西の両方の海外旅行市場に強くアプローチできるだけでなく、訪日旅行需要の取り込みに関してもメリットは大きい。

 例えば成田から日本に入り、京都や奈良などを楽しんだ後に大阪から帰国したり、あるいはその反対のルートを選択できたりすることは大きい。選択肢が増えることは旅行者にとっては大きなメリットで、我々を選んでもらえる大きな理由となる。

-18年5月に夏ダイヤ限定で成田/ウィーン線に再就航した、OSの現在についてはいかがでしょうか。共同事業パートナーのNHが開設した羽田/ウィーン線が、OSの旅客を奪ったりはしていないでしょうか

ブンケンブルク NHのウィーン線に関しては深夜便でビジネスクラスが多く、ウィーンまでの利用者に注力している。一方、OSは日中便でエコノミークラスが多く、ウィーン以遠への乗継便にも注力している。両社の棲み分けはできており、補完関係にあると言える。  

-約7年間続いているNHとの共同事業を、どのように評価していますか

ブンケンブルク これまでにさまざまな共同事業を見てきたが、NHと我々の事業は最も成功した事例だと思うし、非常に満足している。互いに拡大するネットワークを補完し、旅客数の増加の面でも成果を上げている。共同でさまざまな法人契約を取り付けることにも成功している。

 何よりも、両社が協力することによって生まれる旅客へのメリットが大きい。旅客にとって、ルートやスケジュール、運航機材、乗継空港などの選択肢が増すことは魅力的だ。運賃についても同様で、共同事業によって個人にも法人にも、バラエティ豊かな運賃の選択肢を提供できている。

 NHとの共同事業がこれほど成功している理由は、同じビジョンを共有できているからだと思う。成長の方向性に対する考え方や、顧客目線の考え方などに関して一致しているからこそ、成功していると考えている。