カンボジア、20年に日本人35万人へ-全日空、羽田線開設に意欲

  • 2017年5月14日

▽全日空、カンボジア線の増加に意欲、LCC活用も

NHプノンペン支店長の山崎氏  ロードショーではNHプノンペン支店長の山崎格正氏が登壇し、成田線の現状を説明。「就航当初は苦戦したが、11月以降は大幅に旅客数が増えた」と語った。ロードファクターは平均7割で、乗客の8割は観光客が中心の日本発という。同氏は本誌の取材に応え、「まずは成田/プノンペン線の黒字化をめざし、その後羽田/プノンペン線を就航したい」と意欲を述べた。

 羽田線は「日本とカンボジアの航空協定による」が、羽田空港の発着枠の増加に合わせて開設したい考え。羽田線開設後も成田線の運航は継続する。NHは成田を欧米/アジア間のハブ、羽田を内際のハブと位置づける「首都圏デュアルハブ戦略」を展開しているところ。成田線/プノンペン線は成田発が10時50分と「日本人向けのスケジュール」だが、羽田線開設後はスケジュールを変更して米国線との接続利便性を高め、米国発着の需要の取り込みをめざす。

 さらに、同氏は2020年までに、首都圏2空港からシェムリアップへの就航に意欲を示した。バニラエア(JW)やピーチ・アビエーション(MM)での運航を検討しているという。

 日本/カンボジア間は、NHが協業を強化しているベトナム航空(VN)とカンボジア政府の合弁会社であるカンボジア・アンコール航空(K6)が、ゴールデンウィーク期間中に成田/シェムリアップ間でチャーター便を運航し、日本に初就航したところ。山崎氏は「VNとK6と協力し、3社で市場を盛り上げていきたい」と話した。

 K6の日本総代理店(GSA)を務めるサザンブリーズ・ジャパンによれば、チャーター便の用機者はジェイティービー(JTB)で、日本人旅行者向けのもの。全174席のエアバスA321型機で往復1便を運航し、169名が参加した。K6は今後もチャーター便を計画しており、例えば8月やシルバーウィークに、成田や関空からシェムリアップへのチャーターを検討しているという。