日旅新社長、「オンリーワン」めざす、他業種とコラボも
▽海外・国内・訪日いずれも注力、「ネットとリアルの融合」も
堀坂氏は海外旅行、国内旅行、訪日旅行の各市場についてもコメントし、海外旅行については、日本旅行の強みだった欧州方面が、テロ事件などによる政情不安で「落ち込みが激しい」と説明。オセアニアや米国、ハワイ、東南アジア方面を強化していることについては「取扱人数は伸びているが、売上高が人数に追いつかない」と伝えた。英国のEU離脱決定については、「短期的に大きな影響があるとは見ていないが、海外旅行は円高などで追い風になるのでは」と説明した。
国内旅行については、政府の九州復興支援の取り組みを受け、夏の旅行シーズンに向けて積極的に旅行商品を販売していく方針を説明。訪日旅行については、JR券の販売などの「手数料ビジネス」に加えて、訪日外国人旅行者に国内での過ごし方を提案し、受注型企画旅行のように企画料金を収受するなどの取り組みを強化していく。訪日外国人旅行者に対する店舗でのコンサルティングの機能も強化する予定で、16年度中には関西国際空港内に、案内業務や旅行の手配などをおこなうためのスペースを設ける予定。将来的にはJR大阪駅などでもスペースを開設したいという。
販路については、対面型の「リアル店舗」を増やし続けるのではなく、「ある程度重点化していく」と考えを説明。提携販売店に関しては「非常に効果的な販売拠点」であることから、今後も重視する方針を示した。加えて、インターネットの活用にも取り組みたいとし、インターネットで旅行商品を確認し、リアル店舗で相談して予約をする「ネットとリアルの融合」にも意欲を示した。
堀坂氏はこのほか、ジェイティービー(JTB)などの旅行会社2社のサーバーが外部から不正アクセスを受けた問題を踏まえ、旅行会社のセキュリティ対策について言及。「顧客リストはお客様にとって大切なもの。手を打てることについては、多少コストがかかっても取り組んでいく」との考えを示し、今後は「事件が起きた時に被害を最小化する手立てを議論していきたい」と語った。