JTB、14年度上期売上高は1.7%増-海外・国内で法人営業が牽引

  • 2014年11月17日

▽下期も法人需要に期待、仕入れに加えM&Aも強化

 各セグメント別の概況は、海外旅行については円安や主要観光地のホテル仕入れ価格の高騰、アジアにおける外交問題や情勢不安の影響を受け、個人およびグループ旅行は苦戦。一方で団体は、法人営業で自動車産業などのインセンティブ旅行需要が拡大したことや、大型イベントの取り扱いにより、取扱高ベースで前年比15.8%増の2桁増となった。ルックJTBは4.5%減、メディアは5.7%減とそれぞれ減少した。

 国内旅行は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとの提携による「アーリー・パークイン」や「エリア入場確約」、沖縄のホテルにおける「エースJTBラウンジ」などのサービスを組み込んだ商品が好調に推移し、エースJTBは0.5%増と微増した。法人営業もMICE需要の伸張などにより2.8%増。一方でメディアは17.3%減となった。

 国際旅行のうち訪日旅行は、円安や東南アジア諸国に対するビザ要件緩和などにより、26.7%増の234億円と好調に推移。9.4%増だった海外発海外などのグローバル旅行は、ヨーロッパで着地型事業を展開するエウロパ・ムンド・バカシオネス社などを買収したことにより、今後も拡大する見込みだという。

 通期見通しについては、売上高は0.5%増の1兆3120億円、営業利益は11.1%増の150億円、経常利益が10.1%増の170億円でそれぞれ前回発表予想から変わらず。当期純利益のみ12億円上方修正し、31.8%増の100億円とした。昨年度の下期以降おこなってきた投資を絞り込み、各項目を前年比増とする方針。

 下期については、法人需要が引き続き堅調に推移すると見通したほか、エースJTBがUSJ関連商品や沖縄方面を中心に増加し、グローバル事業もM&Aにより大きく伸長すると予測。あわせて、仕入れ力の強化や海外企業のM&Aなどに注力したいとした。