プリンセス・クルーズ、14年10万人めざす、若者や3世代の取り込みも

  • 2014年2月18日

訪日需要、3割見込む-ビザなどの課題も

サン・プリンセス。総トン数7万7000トンで、乗客定員は2022人  日本発着クルーズでは、昨年に続き外国人需要の取り込みもはかる。13年の日本人と外国人の比率は7対3。14年も同程度の予想で、グローバルでの販売を展開中。欧米やオーストラリア、シンガポールなどの東南アジアからの参加を見込んでいるとした。

 ただし、外国人の日本発着クルーズ参加には課題もある。木島氏は更なる外国人需要の取り込みをはかるためにはビザの緩和が必要であると指摘。プリンセス・クルーズは船舶法で定められた、日本国内での旅客輸送を外国籍の船に原則認めないというカボタージュ規制に抵触しないよう、国外の港に立ち寄るコースを展開しているが、外国人が参加する場合、日本に2回入国することになるため数次ビザが必要だ。

 木島氏は、数次ビザが制限されるロシアやブラジル、中国については需要があるにも関わらず日本発着クルーズには乗船できないとし、同じ船で行き来する場合は規制を緩和するなどの取り組みを検討して欲しいと訴えた。スワーツ氏も「入国審査や各港への寄港など、(日本政府や港湾局は)とても協力的」であるとした上で、ビザ規制の緩和に期待を示した。


旅行会社との関係重視、CM活用で販促強化

プリンセス・クルーズ社長のジャン・スワーツ氏  また、スワーツ氏は販売戦略について、引き続き旅行会社との関係を重視していく姿勢を見せた。13年はファーストタイマーの取り込みをはかり、旅行会社と協力して販売を実施。旅行会社が商品造成やセミナーなどで消費者への告知を手助けしてくれたとし、「初めてクルーズに乗る人には旅行会社の協力は不可欠」と振り返った。

 同社では旅行会社向けのオンライン教育プログラム「プリンセス・アカデミー」を展開中。「フロントラインの旅行会社のスタッフが、クルーズとは何かからプリンセス・クルーズと他社の違いまで学べる」システムで、「販売側にわかってほしい情報を無料でオンラインで提供している」という。

 また、13年のフィードバックとして、旅行会社からは商品数の増加に加え、需要の掘り起こしのための広告を求める声もあったといい、「プリンセス・クルーズとしても潜在需要を掘り起こすような広告戦略をとっていきたい」と語った。

 2014年は1000万米ドル(約10億円)を投資して大規模な広告キャンペーンを実施。すでにオードリー・ヘプバーンを起用したテレビCMなどの広告を展開中で、4月まで継続。6月以降は新聞を中心におこなっていく計画だ。