体験レポート:子連れで台湾旅行、LCC活用でメリットも

  • 2013年9月3日

LCCのスクート、成田/台湾線は7440円から

成田/台湾路線の機材はボーイングB777-200型機。来年にはB787を導入するという話も 今回の台湾旅行はフルサービスキャリアではなく、LCCのスクート(TZ)を利用した。同社は2012年10月から成田/台湾/シンガポール線を就航しているLCCで、シンガポール航空(SQ)の子会社だ。

 LCC元年といわれた昨年からLCCはなにかと話題になってきたものの、その安さの仕組みなどはそれほど一般消費者に知られていないように思う。単に「ものすごく安い」というイメージを持っている人が多いが、実際はホテルや空港からの送迎料金を入れるとパッケージ商品のほうが安くなることもある。

 だが、突然思い立って出かけたり、パッケージでは行動しにくい子連れ旅行などの場合、いつでも安い運賃というのはありがたい。TZではエコノミークラスのFlyで、成田/台北間は片道7440円から、成田/シンガポール間は1万3440円からで提供しており、需要に合わせた変動制で料金が決定。燃油サーチャージは必要ない。ピーク時でも早く予約すれば、台湾まで7440円で行くことが可能だ。

 TZ日本地区総代理店(GSA)のエア・システムによると、現在成田線のロードファクターは約9割で、ほぼ満席で推移。シンガポールへの乗客も増加しつつあるが、まだ台湾への乗客がほとんどだという。


LCCの特徴を踏まえた旅の準備を

機内はいたって“ふつう”。子連れでも準備さえしておけばLCCのサービスだけで十分 LCCを利用する際、特に子連れの場合は機内サービスが限られているため、事前に情報を得ることが必要だ。成田/台湾間はわずか約3時間のフライトだが、機内食、エンターテイメント、毛布などがすべて別料金。小さな子ども連れで快適に過ごすためには、事前に準備するか出費してこれらを利用する必要があるだろう。パッケージツアーでは食事と預け荷物料金が込みの「Fly Bag Eat」を利用しているのかもしれないが、FITでは必ず事前準備が必要だと感じた。

 座席は2-4-2のプレミアムエコノミークラス32席と、3-4-3、2-4-2のエコノミークラス370席の配列。エコノミークラスは、バルクヘッド席付近は別料金となっているので、バシネットの利用が必要な場合は追加料金を払って座席を指定する必要があるので注意しよう。シートピッチは31インチとフルサービスキャリアと変わらなく、狭いとは感じない。小さな子ども連れならば座席幅にも余裕があり、ハード面では不都合なことは一切ないと言えるだろう。

 ちなみに、案内がないので気づかない人も多そうだが、乗客が自由に汲むことができる飲用水のサーバーがギャレー近くにあるので便利だ。それ以外はいたってふつうのフライトであり、特にTZは機材が新しく、フルサービスキャリアに比して遜色ないといえる。

台湾旅行はいろいろ見学しながらのぶらぶら歩きが楽しい また、スケジュールでは、成田発は12時10分とお昼時だが、台北発は6時50分発とかなり早い。ホテルを出るのは4時、場合によっては3時半ということもあるだろう。子どもを起こすのは一苦労だが、寝不足ゆえ機内では眠ってしまうので、むしろ退屈したりお腹が空いたりといったことがなくて子連れには楽である。

 夏休みや冬休みなど、子どもと旅行ができる時期というのはトップシーズンであるため予算の都合から海外旅行をあきらめる人も多そうだが、フルサービスキャリアよりも運賃設定が低めなLCC なら 安価に抑えることが可能。荷物を減らすことができない子連れ旅行でも比較的短い滞在の台湾旅行ならば機内預け荷物15キログラムまでのプランで問題なさそうだ。

 近場で気軽に行ける旅先、台湾。子連れでも十分な楽しみがあるし、コストがセーブできるLCC利用もそれほど苦労を感じないため、選択肢の一つとして考えられるのではないか。

取材協力:スクート(TZ)
取材:岩佐史絵