LCC、旅行会社の販売力に期待-鍵は地方需要開拓、WITより

  • 2013年7月9日

LCCの拡大、ローカル需要開拓が鍵-有償付帯サービスの充実も

 それでは、今後成長していくために、LCC各社はどのような展開を見せていくのか。センター・フォー・アビエーション(オーストラリア)会長のピーター・ハービソン氏は「JQとAKの方向性は正しいもので、今後、アジア全体で立ち位置を確立していくと考えられる」とコメント。今後アジアで需要となるのは中国であるとの認識を示し、「中国はまだLCCが数社ある程度で本格的な幕開けはこれから。いずれ北東アジアはLCCの巨大な市場になるはずだ」と予想を示した。

 日本市場に関しては「拠点はまだ大空港が主体。しかし今後は各地の観光組織などとも協力し、ローカル需要を開拓していくことで成長が望める」との考えだ。

 鈴木氏も「鍵となるのは求められるサービスレベルを提供する力」とした上で、地方を含め、「求められる行き先やコンテンツを、日本の消費者が対価を支払ってもいいと考える価格レベルで提供すること。これに尽きる」と話した。

 また、リー氏は「消費者を理解し正しいパートナーを見極め、価値提案を魅力的なものにする」とともに「規制当局に対しても必要な働きかけをおこなっていく」と意欲を示した。さらに、同氏はLCCにとって重要な収益源とされるアンシラリー・サービス(有償の付帯サービス)についても言及。「アンシラリー・サービスは日本では立ち遅れている面がある。商品開発の遅れは認めざるを得ない」としながらも、今後より良い商品を開発し市場に提供していくことで「成長が見込める分野だとも考えている」との考えを述べた。