オンライン旅行市場の現状と対策~PC抜くモバイルの急成長-WIT Japan
モバイル対策は今すべき
アプリ、ソーシャルメディアがポイントに
拡大するオンライン旅行市場だが、市場調査会社コムスコア・ジャパン・カントリーマネージャーの前川洋輔氏は「PCだけに目を向けていてはいけない。モバイル、スマートフォンに大量に人が流れ込んでいる」と警笛を鳴らす。
前川氏によると、2012年のアメリカでの調査で、2011年6月時点ではほとんどのトラフィックがPC経由だったのに対し、2012年9月には約17%のトラフィックがスマートフォンやタブレットなどのモバイルで行なわれるようになった。現在は20%程度に拡大しているという。日本でもスマートフォンのユーザーが前年比63.9%増で増えており、モバイル全体の33%にまで拡大。前川氏は、「モバイルは将来ではなく、現在。今準備できていなければ機会を逸してしまう」と、モバイル対策への対応を呼びかける。
スマートフォンでのトラフィックだが、アプリケーション(アプリ)の利用が多数を占めている。2012年9月は平均7割がブラウザを介していたが、2013年3月にはトラフィックの7割が特定のアプリと逆転しており、その変化が著しい。前川氏は「アプリがビジネスのけん引役になっている。インターフェイス上の体験をオファーしたいのであれば、ブラウザではなくアプリに注目すべき」とアドバイスした。
さらに前川氏は「ソーシャルメディアも非常に重要」とも説く。スマートフォンユーザのほとんどがSNSを使っており、2013年1月までの1年間で、スマートフォンとソーシャルメディア、トラベルコンテンツのユーザーがそれぞれ2倍に増えている。このことから前川氏は「多くの人がソーシャルメディアとスマートフォン、トラベルコンテンツの統合を求めている」と提言。そのうえで「モバイルマーケティング戦略は将来ではない。今、策定してほしい」と呼びかけた。
また、スマートフォンの利用傾向として、2012年はツイッターのユーザー数がFacebookユーザーを上回っていたのに対し、2013年にはFacebookユーザーが逆転し、短い期間でトレンドが変わる。前川氏はマーケティングスキームをモバイルデバイスで確立しようとするには、その時々のユーザーの傾向を把握する必要があるとも語った。
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